グルグル2でニケが竜になる呪いにかかった時しばらく皆が隠そうとしてたり、竜になるたび皆が慌てたり、バレたらさっさと逃げようとしたりするのがなんでかイマイチピンときてなかったが、そうか、普通にあの世界にも魔物差別あるんだったわ。

2でレイドの住んでた魔族の街を差別で街ごと潰された(放棄された後なのか、無人だったらしいが)とかあったのにわかんなかった。あんまりにも文脈だけで進んで説明やおさらいがないから……。優しい童話的なオチにはなるが、ククリちゃんだってミグミグ族差別の街で、ちょっと不穏な体験はしたもんな……。

ニケ本人が呪われたの気にしてないって言ったのは本心だろうけど、やっぱりちょっとは気にしてたよね。魔王ちゃんに強制里帰りさせられた時も、多分父ちゃんが何か隠してるな!って言わなかったら呪われてる事言う気なかったんじゃないか?別にわかりやすい感動のシーンはないけど、両親がいつも通りのアホな対応で気にしなかったのは結構ニケもホッとしたんじゃないかな?

良いことでもあるが、その辺わからなくてもなんとなくギャグとか流れを楽しめるからな……。衛藤先生、よくわからんものを描きたい人だけあって、前提として漫画が上手いんだよな。絵柄の変動はすごいけど読みづらく感じたことないし。別に↑の意味なんか全部わからなくてもなんとなくで楽しいし。村上春樹もそうなんだが、よくわからんものを描きたくて描いてる人らは、好き嫌いはさておき技術がある。

え、でもコレ、担当編集さんとか、このわかりにくさ理解してるよな?してないわけないな、担当編集さんも衛藤先生も、多分わかりにくさは承知の上で、なんとなくで楽しんでもらえると思ってるから(実際そう)コレで出してるんだな……。そうじゃなかったら「ゆっくり読むとまた違う面白さがある」なんて言葉は出ないもんな……。名作の裏に名編集ありだよね、私の好きな花守の竜の叙情詩も、作者の淡路先生が前作と似たようなもん出すの悩んでたのを当時の編集さんが後押ししてくれたから世に生まれてくれたしさ。

うーん、でも、グルグルがどうして3回もアニメ化してもイマイチマイナーな感じがするのかわかった気がするな……。衛藤先生の、嫌なものに不用意に触れない、1からずっと続く優しさが私はとても好きだけど、コレはちょっと、わかる人にしかわからない良さだと思うわ……。だって私も楽しいからサラサラ5周しちゃって、ようやくピンと来たレベルだし。2になってから殺すみたいな言葉も不用意に使わず言い換えるようになったよね、そういうとこだぞ……。(無印から面白半分には使ってなかったと思うけど……)

むしろこんなわかる人にしかわからない話でよく3回もアニメ化されたよな。よっぽど衛藤先生ごと愛されていたのだな……。実際アニメ三作目もスタッフの愛情すごいけど……。

そして自分がなんでこんな一ヶ月以上もこの作品に懐いているのか解ってしまったな……。本当の優しさは押し付けがましくない……。

っていうかニケがククリちゃんのスパダリなのも、多分「12年間も閉じ込められてた女の子にコレ以上の悲劇はいらん」って事なんだろうし……。本当に運命の光の勇者として配置されてんやろなー。作者の中でそうと決まりきってい過ぎるから、変な浮気フラグとか即へし折れるんか?

衛藤先生、物語の本当に必要最低限以上の鬱要素、マジで描きたくないんやな……コレもう衛藤先生がニケそのものだろ。
2024/07/04(木) 16:36 作品感想 PERMALINK COM(0)