2のズックニィでククリと二人きりになっちゃった時、お友達召喚で合流しようって時、ニケが返答する前に変な間を入れたコマがあるんだよな……。やっぱコレは、ニケも二人きりになりたかったのでは?????

呪いの竜モードでククリを抱えて飛んで行ったのも、ククリが見た夢の中の竜ニケが「ククリ好きだ!だからお姫様抱っこもするんだよ!」って言ったのも、やっぱりニケの本心や願望が出ちゃったのでは???その後ニケも「なんかさー…だれもいないとヘンな感じだな」とか言ってるし。

なんでニケって何考えてるのかわからん感じするんだろうな……。基本ククリには優しい勇者様で、時々深くニケの内面に潜って語られる心理も「ククリが大切な女の子」って事ばかりなんだけど。仲良いし大切な子には違いないのに、のれんに腕押し、糠に釘みたいな感じというか……。

物語の大筋はわかりやすく描かれてるのに、ニケがククリを大切だと思ってる事も見てればわかるのに、ニケの細かい心理を追っていくと、すごく正直なようで、肝心要のところが語られてないような感じするんだよな……。これは私じゃなくて、他の人の感想を見ても評価は高いのに「ニケが何を考えてるのかわからない」ってちょくちょく言われてるんだよな……。

無印最終決戦でのククリへの告白の返事が、「ニケって呼んでほしい」なのも、どういう心理で言ったのかがイマイチわからない。いやもう勇者じゃないから、とは言ってるんだけど……。なんか上手く言えないけど、ここも何かが抜けてるような……。

アラハビカだって、あそこで結ばれないにしても、どうしてニケはあの告白舞台劇を夢のまましまってしまったのか、そこら辺は語られてない。「ククリが何も覚えてないから、アレはノーカン!」とか「恥ずかしいから夢として誤魔化そう!」とかなんでもいいんだが、食い下がらなかった理由が語られてればいいんだが、そこら辺も考えて見ると全然わからない……。

アニメアラハビカは色々削られてるけど、原作だとククリのハートの気持ちをジュジュが通訳する時、冗談で「ニケ君の事を考える部分はもういらない」って言ったらニケが本気にして泣いてるシーンあるんだよね(ギャグチックな流れだけど)。

もう一つ、ククリの事をもっと知りたい!ってなってデリダに色々ミグミグ族とグルグルの事を訊いた時、デリダが「グルグルに惹かれながらお前は怖いものだと思い深く関わろうとはしなかった、ハートに触れてもらえないこと、人はそれを失恋と呼ぶ!」とかなんとか言った時「しつれん…」って何故かニケがショック受けてんだよね。ここもやっぱり「ククリ側が失恋したと思っているっぽい」って事に焦っているというよりは、ニケが自分側に当てはめて、自分が失恋したみたいなショック受けてるんじゃないかな?って。

まあとにかく、ニケも別にククリと失恋したいわけではないはずなんだよね。だから恥ずかしくてもハートを持ってもう一度迎えに来て、ほっぺにチューしたわけで。まあそれだけで十分アラハビカ編はボーイミーツガールの総決算として美しい話なんだけど、それは物語の答えで、ニケ自身の細かい心理に潜っていないような、手ごたえのなさがどこかにあるというか……。「ククリが夢だと思ってるなら、夢のままにしておこう」とか何か一言あればいいのに、そういうニケ自身の、アラハビカ恋物語の結論が実は語られていない感じ……。

わからないな~って思いつつ、似た系統の魔王学校に俺だけ勇者のヒロとリュウナにもドハマりしたのを考えると、私は「告白したのに何故か何も進展しないカップル(100%どころか1000%この二人の恋愛を語る話なのに)」みたいなカップルが好きなんだろうな……。っていうかここら辺もBLゲーで無意識に模倣してる事に今気づいた……。2でほっぺにチューして弟分側が告白してるのに、3冒頭でくっついてない。

告白したのに、何故かくっつかない、かなり無意識の性癖と見た。自分の創作の事ですよ???いや、私マジで創作ってアドリブでしか作れないからゲームで台詞組み込んだり、小説本文書いてみるまで細部がよくわからない事が多いんだよね……。いや流石に何で告白したのにくっついてないかは3本編で描いてあるけど……。(まあ、正直クソくだらん茶番な理由ではあると思うが)。

いやしかしヒロ×リュウナとニケ×ククリ本当よく似てるよ……同じ勇者×守られ、さらわれ姫属性アリ女子のカップルだし。作中で何度も告白してもくっつかないし、それが何故なのかはさっぱり語られないし、ヒロイン嫉妬で闇落ちするし……(そして双方それが、恋の一つの区切りになってるし)。歳も大体一緒だし。関係性としては進んでいくんだけど、くっつかない。なんだろうね、告白してもそれは「主人公くんだーいすき!」「俺もだよヒロインちゃん!」って言い合ってる幼児カップルというか……。

なんだろう、一緒にいるのが楽しくて当たり前で、好意を伝えるのも特別な事よりは日常の延長で、そこからずっと進まない、進むって発想がないほど幼いというか……。

魔王学校のヒロは、彼の一人称で語られる話だから、謎にくっつかなかろうが彼の心理はわかりやすいんだけど、ニケは本当にわからんのだよな……。ある程度狙ってなのかそうでないのか、行動や言葉で素直に語られているはずが、やっぱり肝心な何かが欠如している感覚。

っていうかKindleの魔王学校謎に安くなってる!? どうしよう、買い戻してしまおうか……。でももうちょっと流石に金がもうない……。このラノベこんなに好きな人、マジでこの世で私だけでは……?でも好きなんだよなぁ、コレ。やっぱ買っちゃうか……。

夏緑先生と衛藤先生ってちょっぴり魂似てるかもしれないなぁ、クソ下らんギャグ、或いはメルヘンに、作者本気のラブ乗っけるところが。夏緑先生のがまっすぐ素直だと思うけど。等身大の男の子描くのが上手い点も似てる。

まあいつものド偏見だが、魂似てると思うけど夏緑先生は恋のパートになると今までのくだらねー話はどこへやら、本当に綺麗に素直に描くのに対し、衛藤先生は少なくとも代表作のグルグルだと、照れ隠しが酷い。(ギャグが滑らないから、不問にされちゃうが)。もろに男女差が出てる感じする。照れ屋な兄ちゃんと大人の姉さんっていうかな。もはや意固地とすら言えるような、グルグルというコンテンツの10年20年、30年かけてやっと照れが消えて穏やかなジュヴナイルっぽい恋模様になった(当社比)(しかしそこまで時間かけても未だくっつかない!)作風の変遷、いかにも男性作家って感じ(いつもの偏見2)(まあそういう面倒くさい作家が好きになりがちなんだけど、男性作家は)

がじぇっとみたいなのが描けるなら、正統派ジュヴナイル恋愛が正攻法で全く描けないほどの照れ屋ではないと思うんだけど、なんなんだろう、グルグルだけ恥ずかしそう&妙に難解な部分があるの。まあがじぇっとよりグルグルのが作者が正気でいられんほど恥ずかしいってのはわからんでもないが……。
2024/07/04(木) 19:28 作品感想 PERMALINK COM(0)