狂四郎2030って、ディストピア内でどうしても逢いたい夫婦の話、作者が言うようにロミオとジュリエットの話、私的には「ディストピア世界でやってるセカイ系かつ人間の根源の美しさ、悲しさの話」なんだけどパッと見が全くそうとわからんからコレ刺さる人が意外とたどり着かないよな。ロミジュリリスペクト、っていうのも言われなければ一生気づかないやつだな……。八木編がそうだ、(それ以降、それ以前の当て馬男達もそうだけど、特に徳弘流にロミジュリをしている部分が出てるのは八木編)とはかろうじてわかったけど。ロミジュリは紙媒体で読む分にはあんま私には刺さらなかったが、主従がひっくり返ってる状態だが、私にとってロミジュリは、その後のオタク人生で狂四郎を120%楽しむためだけに読んだんだなと思った。

魔法陣グルグルもアレは本当に魂がコテッコテの、光の勇者王子様と闇の中に囚われていたお姫様が、楽しい楽しい旅に出る、本当にメルヘンで優しいお話なんだが、無数のギャグにかく乱され、全くわからない。そこを理解し、強調したアニメ版のお陰でやっと気づけた、ってレベル。

本編にちゃんと描いてあるのにも関わらず、ククリちゃんの対魔王魔力兵器という悲しい境遇も、親無し子状態の彼女が両親の軌跡を追う旅の切ない一面も、彼女の民族が差別や兵器利用で追い立てられ、或いは自らの意志で逃亡し、或いは隠れ住むしかなかった(ククリちゃんもだが、2でわかる結構実は地上にいるらしいミグミグ族も)というシリアスな設定も、実はこのギャグとメルヘンで彩られた世界にも差別があるのだという事も、大人になってから読み返して、やっと理解がおいつくレベルに気づけなかった。これ、本当に押しつけがましさのない作者と勇者ニケが「優しいとか照れくさいからわからなくていい」ってレベルに極限までギャグとさりげな過ぎる優しさで薄めてくれてたんだなって……。どこまで狙ってんだが、そのせいで主人公の一人でククリの王子様であるニケの細かい心理が、解答なしミステリー(藪の中)と化してるレベルだという事もわからなかった。

こんなに優しくて、読まなくなってほとんど普段忘れてるような状態になってからも無意識にド下手くそな創作で再現しようとするくらい求めてた作品をずっと忘れてたの本当、下手の素人とはいえ創作する人間としても、読むだけ読者のオタクとしても本当に恥ずかしいんだけど、作者とニケに言ったとしても、「別にいいよそんなの」と言う気配しかないのがまたヤバいんだよな……。

「優しいと作者に対する都合の良さ、甘さを一緒くたにすんじゃねえよ!!!!!!!」って作品読んだ時の極限地雷な怒りのツボがあるのも、まーじでグルグルのせいだと思う。マジでどうしてくれるんだ、本当にグルグル2でしっかり恋人同士になってこどおば亡霊の魂を救ってくれよな……頼むよマジで。衛藤ヒロユキ先生と勇者様ニケって本当に優しい人なんだと思うな……。

セカチュー原作読んだ時は主人公のカスに対して「死ね、死ねよ。ヒロインじゃなくて主人公が死ねよ、なんでお前が口開いてブツブツ終始喋ってんだ?あ、コレこのゴミ男の一人称だったわ。ゴミが喋んないと話進まないな、でももう死ねよ」しか感想として出て来なかったんだが、コレ「魂の純愛」みたいな売り出され方してんだよな。どこがだよ死ねよ。主人公のじーさんと初恋の人のがそのテーマでやりたい事は一応理解出来る(魂の純愛)とかいうわけのわからない話だったな。(色々強化されているらしいドラマ版はさて置いて、そこすらも薄いから本当に原作は読む価値がねぇんだけど)。

Twitter(x)やってた時相互の一人がブチキレてて、そんなに?って読んだら本当に闘病物の中でもワースト1級のゴミオブクソゴミだった。何年も相互してて作品も好きだった人の言う事は信用するべきだな、ホント。いやバカにするために読んだんじゃなくて「流石にあの知名度なら、私や相互さんの好き嫌いはさて置き闘病物としては平均くらいだろ?」って思って読んでみただけだったんだよ。飽きるほど見た闘病物、時限恋愛の中でもこれ以上のゴミが浮かばないほどのゴミだったけど。ゴミって言い過ぎてゴミじゃなくて小説本な事忘れかけてるけど。

闘病物要素あるからって↑の資源ゴミ(あんなもんでも一応紙ゴミには出せる)と半分の月がのぼる空も一緒くたにしないでほしいんだよな、ホント。純粋に見比べても、こっちは全然やりたい事って違うし。イリヤの空と比較してる人のがわかるし正解だと思う。(実際イリヤは闘病物ではないが、そういう時限恋愛ヒロインの話と作者もファンブック述べている)。これもファンタジーとかはないけどセカイ系なんだよね。確かに闘病ヒロインによる重さは描かれているんだが、そこを重視しているようでしていない、いずれ来る終わりを読者も主人公も感じながら、それでも二人の終わりより今の大切な日常に特化してるような……そういう話。

まあとにかく、この辺が読んでみないとわからんものがこの世にはあまりにも多すぎなんですね。私の好みかどうかパッケージ見た瞬間わかるようにならんものかな、ホント。

セカチュー、あらすじの時点で既にこのゴミをまともに食える料理にしてるのがわかるドラマ版がどんなもんだか、逆にちゃんと見てみたいんだが、流石にもうレンタルもアマプラもなくてな……。実写ドラマって、叩かれまくる一面ばかり取り上げられるけど、そのままだと本当に資源ゴミに出すしかないゴミを実写企画でなんとか食えるものにしてる作品もある事は取り上げられないよな。
2024/07/05(金) 22:09 作品感想 PERMALINK COM(0)