デリダさんの、「ニケがグルグルをどこかで恐れて深く関わろうとしなかった」って指摘。まあ内心あんな変な魔法怖がるのはしょうがないし、ニケは普通にグルグルを頼りにしてるじゃん。って思ったけど。

第1章ラスト、昨夜村人達が魔物(モンスター)を見たというけど、それはククリちゃんがグルグルを失敗した結果出た変なものだった事がわかる。今回初めてニケはククリにグルグルを見せて貰ったわけだけれど、この頃まだ未熟だったククリは当然また失敗して、一番大事なニケとグルグルの初めての出会いで、恐怖を植え付けちゃった。

それで、最後もニケは、村の魔物の噂は失敗グルグルが出した変なものだけど「やはりグルグルは魔物(モンスター)であった」って心の中で思ってるんだよね。デリダさんの「どこかで恐れて」ってのは多分此の時のトラウマがどうしてもどこかに残っていたってことかな。

でもコレはしょうがないよね、ニケはガチで心が勇者だから、冒険に出てすぐ勇者として冒険者として才覚を現すけれども、グルグルを初めて見せてもらった時のニケは、ホントにただの村人の少年。

ファースト・コンタクトの失敗っていうのは、結構致命的な部分がある。例えば気になって初めて手に取った作家の作品が致命的に合わなかったら、他全部が面白かったとしても次を手に取る確率は減るし、二度と手に取らないかもしれない。

人と人が出会うのだって、もし初見でいきなり悪口をぶつけられたら、第一印象をひっくり返すのは難しいだろう。

そんな感じで、一緒に冒険していくうちにククリごと頼るようになったグルグルも、多分無意識に植え付けられた、まだ村人だった少年の無意識のトラウマにはちょっと勝てなかったんだね。ククリもニケも未熟でお互い不幸だった、無理もない。

アニメスタッフが流れ変えて高速消化状態でも、ニケが最初にグルグルの変な失敗魔法に巻き込まれて持ち上げられるくだりを1話にねじ込んだ理由がわかった……。VSカセギで使ったとかげのしっぽが初邂逅だったら、普通にカッコいい頼れる魔法って印象になって、アラハビカのデリダさんの「グルグルを心のどこかで恐れる」という指摘がおかしくなる。

アニメに城原作にしろ、どうしてもニケは初戦闘前にグルグルの失敗を目の当たりにして、トラウマを作っておかないといけないわけが。

アニメのアイキャッチが、ニケがククリと一緒に魔法陣を覗いてからポワーンと何かが起こる。演出、アレもククリの心を覗いて触れて、冒険して……みたいな。

アニメスタッフまで衛藤ヒロユキとかいう存在ごとヤバイネアカ狂気作家のミステリーに参加してて草。

こんなにわかりにくい話を、冒頭の光射す美しい出会いと、とにかくニケがククリの手を引いて走っていくのが強調されるOPムービー2曲、そしてラスト、ただのニケがただのククリと旅に出るエピローグと、間違いなく何もかも、衛藤先生が本当にやりたい、言いたいことをわかりやすく表現している。

漫画はもうしょうがないとして、アニメまでグルグル以上に好きなものに出会うかわからんくてワロス。
2024/07/10(水) 08:43 グルグル考察 PERMALINK COM(0)