狂四郎2030って、ディストピア内でどうしても逢いたい夫婦の話、作者が言うようにロミオとジュリエットの話、私的には「ディストピア世界でやってるセカイ系かつ人間の根源の美しさ、悲しさの話」なんだけどパッと見が全くそうとわからんからコレ刺さる人が意外とたどり着かないよな。ロミジュリリスペクト、っていうのも言われなければ一生気づかないやつだな……。八木編がそうだ、(それ以降、それ以前の当て馬男達もそうだけど、特に徳弘流にロミジュリをしている部分が出てるのは八木編)とはかろうじてわかったけど。ロミジュリは紙媒体で読む分にはあんま私には刺さらなかったが、主従がひっくり返ってる状態だが、私にとってロミジュリは、その後のオタク人生で狂四郎を120%楽しむためだけに読んだんだなと思った。

魔法陣グルグルもアレは本当に魂がコテッコテの、光の勇者王子様と闇の中に囚われていたお姫様が、楽しい楽しい旅に出る、本当にメルヘンで優しいお話なんだが、無数のギャグにかく乱され、全くわからない。そこを理解し、強調したアニメ版のお陰でやっと気づけた、ってレベル。

本編にちゃんと描いてあるのにも関わらず、ククリちゃんの対魔王魔力兵器という悲しい境遇も、親無し子状態の彼女が両親の軌跡を追う旅の切ない一面も、彼女の民族が差別や兵器利用で追い立てられ、或いは自らの意志で逃亡し、或いは隠れ住むしかなかった(ククリちゃんもだが、2でわかる結構実は地上にいるらしいミグミグ族も)というシリアスな設定も、実はこのギャグとメルヘンで彩られた世界にも差別があるのだという事も、大人になってから読み返して、やっと理解がおいつくレベルに気づけなかった。これ、本当に押しつけがましさのない作者と勇者ニケが「優しいとか照れくさいからわからなくていい」ってレベルに極限までギャグとさりげな過ぎる優しさで薄めてくれてたんだなって……。どこまで狙ってんだが、そのせいで主人公の一人でククリの王子様であるニケの細かい心理が、解答なしミステリー(藪の中)と化してるレベルだという事もわからなかった。

こんなに優しくて、読まなくなってほとんど普段忘れてるような状態になってからも無意識にド下手くそな創作で再現しようとするくらい求めてた作品をずっと忘れてたの本当、下手の素人とはいえ創作する人間としても、読むだけ読者のオタクとしても本当に恥ずかしいんだけど、作者とニケに言ったとしても、「別にいいよそんなの」と言う気配しかないのがまたヤバいんだよな……。

「優しいと作者に対する都合の良さ、甘さを一緒くたにすんじゃねえよ!!!!!!!」って作品読んだ時の極限地雷な怒りのツボがあるのも、まーじでグルグルのせいだと思う。マジでどうしてくれるんだ、本当にグルグル2でしっかり恋人同士になってこどおば亡霊の魂を救ってくれよな……頼むよマジで。衛藤ヒロユキ先生と勇者様ニケって本当に優しい人なんだと思うな……。

セカチュー原作読んだ時は主人公のカスに対して「死ね、死ねよ。ヒロインじゃなくて主人公が死ねよ、なんでお前が口開いてブツブツ終始喋ってんだ?あ、コレこのゴミ男の一人称だったわ。ゴミが喋んないと話進まないな、でももう死ねよ」しか感想として出て来なかったんだが、コレ「魂の純愛」みたいな売り出され方してんだよな。どこがだよ死ねよ。主人公のじーさんと初恋の人のがそのテーマでやりたい事は一応理解出来る(魂の純愛)とかいうわけのわからない話だったな。(色々強化されているらしいドラマ版はさて置いて、そこすらも薄いから本当に原作は読む価値がねぇんだけど)。

Twitter(x)やってた時相互の一人がブチキレてて、そんなに?って読んだら本当に闘病物の中でもワースト1級のゴミオブクソゴミだった。何年も相互してて作品も好きだった人の言う事は信用するべきだな、ホント。いやバカにするために読んだんじゃなくて「流石にあの知名度なら、私や相互さんの好き嫌いはさて置き闘病物としては平均くらいだろ?」って思って読んでみただけだったんだよ。飽きるほど見た闘病物、時限恋愛の中でもこれ以上のゴミが浮かばないほどのゴミだったけど。ゴミって言い過ぎてゴミじゃなくて小説本な事忘れかけてるけど。

闘病物要素あるからって↑の資源ゴミ(あんなもんでも一応紙ゴミには出せる)と半分の月がのぼる空も一緒くたにしないでほしいんだよな、ホント。純粋に見比べても、こっちは全然やりたい事って違うし。イリヤの空と比較してる人のがわかるし正解だと思う。(実際イリヤは闘病物ではないが、そういう時限恋愛ヒロインの話と作者もファンブック述べている)。これもファンタジーとかはないけどセカイ系なんだよね。確かに闘病ヒロインによる重さは描かれているんだが、そこを重視しているようでしていない、いずれ来る終わりを読者も主人公も感じながら、それでも二人の終わりより今の大切な日常に特化してるような……そういう話。

まあとにかく、この辺が読んでみないとわからんものがこの世にはあまりにも多すぎなんですね。私の好みかどうかパッケージ見た瞬間わかるようにならんものかな、ホント。

セカチュー、あらすじの時点で既にこのゴミをまともに食える料理にしてるのがわかるドラマ版がどんなもんだか、逆にちゃんと見てみたいんだが、流石にもうレンタルもアマプラもなくてな……。実写ドラマって、叩かれまくる一面ばかり取り上げられるけど、そのままだと本当に資源ゴミに出すしかないゴミを実写企画でなんとか食えるものにしてる作品もある事は取り上げられないよな。
2024/07/05(金) 22:09 作品感想 PERMALINK COM(0)
勇者ニケとお姫様魔法使いククリと比べるの、自意識過剰と言われるだろうし何も模倣出来てない(オリジナルなってるよ的良い意味でも、技術の天地の差という悪い意味でも)とはわかってるが、やっぱりへっぽこアルジェンの一番の元ネタってこの人らよな……。いや、明確にパクったのは魔探偵ロキのフレイとホモなれシリーズとコロコロの兄貴分と弟分コンビのつもりだったけど。

盗賊系主人公と魔法使いヒロインという大まかな属性もだが、鳥のヒナの刷り込みのように、初めて助けてくれた人に惚れ込んでしまう好感ダダ漏れヒロイン(受)ってのもそう。

っていうかこういう好意ダダ漏れ相手に一目惚れ系ヒロインが昔から大好きだったのも、そんなヒロインが主人公にとって一番大切で守らなくちゃいけないという物語が大好きなのも、絶対魔法陣グルグルが起源なんだよな……。かなり自覚的なヒロインの好みって意味だと、ニケよりククリのが思いっきり性癖植え付けられてたのかも。弟分キャラ好きなのも、絶対この最初から相手への好感度高いヒロイン好き、ククリが好きの派生だなこりゃ……。何も好み変わってないのに、半端に腐ったせいで自分の事なのにわからなかった……。

ニケのがわかりにくく描かれてるからここでツッコミ散らしてるのはニケばっかだし、もちろんニケ好きだけど、自分で思ってる以上にククリちゃん好きなタイプなんだろうなー。(いや元々大好きなヒロインだったが、それ以上に……)

ニケほどほぼ完璧男を求めた記憶は一切ないが、普段三枚目でやるときはやる系男が好きなのもニケのせいっぽくはある。自覚的な好みはククリちゃんだろうが。

まあ自作BLも、グルグルのようなヒロインじゃなくて男主人公の成長のお話になってるのは一応オリジナルか。

普通、兄貴分と弟分ってBLじゃなくても兄貴の模倣をして弟分が成長するってのが定番なんだが(ナルトのロック・リーとか、こっちは父子に近いがGANTZのたけしみたく)、へっぽこアルジェンってアオイはあんま成長劇要素なくて、何故か成人済男の成長物語になってる。なんでそっち寄っちゃったんだろ?

まーた他人事のように言って!って話だが、私プロット作ってから作るってことが全く出来ない(頭の中の構想だけでなんとかしたり、エタり散らかしたりしてる)から、自分でもよーわからん。まあこのへんは普通にコロコロコミックの未熟な兄貴分主人公の影響なんだろうけど。っていうかぶっちゃけちまうと、漫画版イナズマイレブンの円堂とたまごろう。コレで6年くらいBLssサイトもやってた。とっくに潰したけど(この世の数人しかこんなサイト見てないと思ってとことんゲロする)

漫画版の円堂さんはアニメのような(序盤はともかく)カリスマキャプテンではなくて、割とアホっぽい感じの兄貴分要素が強い。まあほんで、オリキャラのたまごろう君ってだいぶ賛否両論で嫌われてたというか、そういうフラストレーションをホモなれに感動してそのまんま同じRPGツクールAceにぶつけて「人にウケるウケないではなく、絶対に兄貴分×弟分の公式カップルをこの世に産み出さねばならぬ!!」みたいに作ったのがへっぽこアルジェンとネコな弟分。

だったんだが、もうちょっとそういう明確なパクリ元より根源的なアレがグルグルにあったんだなぁという感慨。というか、「忘れていても覚えている」みたいな記憶喪失系感動恋愛みたいな事を一人オタ活芝居でやってたっぽいの、ぼっちの極みというか……。創作を始めてから読み返す機会なかったんだけど、ずっとグルグルを求めてメルヘンな作品を読んだり、自分で何かファンタジーを作ったりしていたような気がする。

まあ何が言いたいかというとアレだ。ぶっちゃけやぶてんイナズマイレブン漫画版と魔法陣グルグル読んでホモなれプレイしたら、おそらく私のやりたい事の超ウルトラ上位互換が全部詰まってるなって(言っちゃった)。いや本当、パクった作品全部そうなんだけど、グルグルが特にね……。私のやりたい事の全てが詰まってるのがグルグルなんだと思う。

にゃんにゃん騒動のラストシーンで、なんでアルジェンがあんなボコボコにされてもアオイ殴れない、殴るくらいならオレが死ぬ。とかほざいたのか私にすら今までわからんかったのだが(それでホントに死んでたら一番悲しむのはアオイなのに。まあそんくらいアイツはアオイの事が大好きなんだろうとしか)、多分これも本当にククリちゃんに優しい勇者ニケを無意識に再現しようとしてたんだと思う、自分なりに。勇者ニケが自分が殴られた程度でククリを殴るわけないから(アラハビカ編のデビルククリへの応対がそう)、ニケの模倣のアルジェンも殴らなかったんだと思う。アルジェンがそんだけアオイの事好きってのも間違いじゃないんだろうけど、下手過ぎて模倣出来てない、自意識過剰と言われるかもしれないけれど、創作する私が本当に無意識下でやりたかった事って多分そこなんだと思う。だから私のBLゲーやるくらいならグルグルを読めばいい。って卑下でも謙遜でもなく思うんだが。

グルグルならもし合わなかったとしても、人気作だから話のタネになるし、弟子の作品のハガレンを読む時も、全然似てないがどこかうっすらと感じる共通項、多分荒川弘先生が師匠を参考にしたとこや気の合う部分、合わない部分とかに気づけて楽しいと思うからな。そういうキモイ読みをしなくても、有名なザムディンとかただし魔法は尻から出る!とかを自分で実際に見てみるのはなかなか楽しいんじゃないかな、って思う。こっちのが色々オマケの付録が多いんだよね、合うか合わないかに関わらず、読むってだけでオタク知識的財産になる。だからこっちでいいんじゃね?みたいな。

まあある意味アルジェンって本当に私にとっては自作内では本当に理想の主人公なんだろうな。弟分以外に見向きもしなくて、その執着が成人男性にしては幼稚でキモく、作者が無意識に勇者ニケを模倣するための供物かつ、好きだった弟分キャラへの世界の理不尽を覆すための業を全部背負ったやつ。模倣まではいいのだが、元ネタのグルグルがダブル主人公ものとして大成功してるのに対して、へっぽこアルジェンは良くも悪くもアルジェン一人が主人公のお話。って感じなのが一番パクリや模倣すら出来なかった部分のような気がする。いや一応弟分主役の数分ゲーとかあるけど。

……自分の作品を自分で解説しまくるのって一般的には痛いけど、私には割と向いてるというか、こうやって色々ほざいた方がすげぇ面白い作品のように見える。いや実際、やぶのてんや先生のイナズマイレブン無印コミカライズと、魔法陣グルグル無印の知識があった上で「二次創作腐女子が自分の推すカップリングと、完全に無意識で再現するレベルに沼な作品を己の合法世界で再現しようとした呪物」という独断と偏見まみれでプレイした方が、多分へっぽこアルジェンは面白いような気がする。そこまで読み方を指定するのはちょっとどうかと自分でも思うけど……。白状しまくってる私はともかく、他の人の作品でそういう読みをするのは、基本的にやめた方が良いと思うけど。
カピバラさんの「天使ニケのアホなとこでときめくエピソード、可愛いし奥さん案なんじゃないか?」って話。確かに好きな男の馬鹿なところ素敵って思って天使と思ってる感覚、ちょっと男性には出しにくい感覚だよな。

なんなら仲の良い夫婦や恋人でも、↑の感覚って、女子側に言われた男子側はちょっと複雑になるか、わからないなと思う感覚なんじゃ?みたいな……。

なんなら私の大好きなおしゃべりなアサガオでククリちゃんが弱体化で落ち込むニケを「勇者の証なんかなくていい、魔法も能力も何にも持たなくて走る勇者様が一番ドキドキする」って無意識に励ます話も、奥さん案かもな……?

ニケが「男の意地で、ククリちゃんの前では常にカッコいい勇者であろうとしてるっぽい」ってのは前の記事でも言ったが、ククリが死んだと思っても泣かないニケを描くほど「好きな子の前でカッコつけたい男子」をやりきった人が、続編まで間が空いて心境の変化もあったろうとはいえ、一人でおしゃべりなアサガオの話やアホ天使ニケを素敵と感じるククリを思いつくか?みたいな……。もちろん普通に衛藤さんの発想なら、それはそれですごいが。

多分グルグル1からそうなんだろうけど、2はダブル主人公からククリちゃん一人が主人公になった空気を感じるし(個人的な感覚だし、今もニケの存在感はデカいが、以前よりはサブに収まった感じがする)、今挙げた話二つ以外も2はより奥さんの発想が濃く出てるのでは?と思った。魔王ちゃんのニケククへの嫌がらせとか、衛藤センスで笑える範囲だけど、結構見てて「うわっ!嫌な子!」「同時にこの感覚は上手い、理解出来る」みたいな生々しさがあるんだよな。もちろん推測でしかないが。

なんならグルグル2こそ衛藤夫婦のラブラブ風船、甘酸っぱく初々しくも、前より幼く仲良し夫婦みたいになってるニケククの挙動が、まんま衛藤夫婦の挙動だったら一ヶ月は笑えるな。流石にコレは邪推すぎるが。

なあ、やっぱ衛藤先生の恋愛歴おしえてくんね??先生の著作、全部男の挙動が旦那過ぎるし、恋愛観が頑な過ぎてどういう人生送ってきたか気になるんよ……。

久米田先生が夫婦エッセイ出す方がまだ可能性あるレベルの超ド級照れ屋くさいし、無理か……。

でも、これもド偏見だったら申し訳ないんだけど、そもそも1から続くニケとククリの男女ダブル主人公ってのも、結構やってみると難しい部類というか、二人三脚の感覚を知ってて、かつ二人三脚で描かないと成功しないような挑戦じゃない?地味に……ってふと思った。ダブル主人公、失敗もかなり多いと思うし……。(だからニケとククリ、どちらも強烈な存在感があるグルグルってすごい)グルグルって、相手を守りたい気持ちとか、支え合う描写とか、そういうのがホント初期からずっと上手いんだよなぁ……。これ想像で、一人で描けるもんか?って言われてみたらホントそうだよね。

カプ厨の寝言じゃなくて、やっぱグルグルってずっと夫婦というか……。どっちかが失敗しても倒れても、どっちかが頑張って取り返すみたいな感覚が……。ここの泣かせる関係性に関しては、2でもずっと変わらないよな、ってふと思った。

しかしダブル主人公カップル、ホンット良いもんだなぁ……こういうカップルって他にいないもんかな……贅沢が過ぎるか……。ニケククはSSRどころかURだと思わんとな……。
2024/07/05(金) 16:53 作品感想 PERMALINK COM(0)
幼い頃大好きだったニケ王子とククリ姫の絵本を夢中で捲ってたはずなのに、なんで私は藪の中やスカイ・クロラシリーズなどの解答編がないミステリーを解読・解説する国文学科の教授の真似事をしているんだ……?

いや違う、高尚なバカなオタクがプロ教授ごっこしたくてやってんじゃないんだ!ただ「この時のニケ王子の気持ちを答えよ」って国語の授業みたいな事しようとすると、大学の授業レベルの解読を要求される構成にグルグル原作がなっちゃってるんだ!!頼む!!信じてくれ!!!(檻をガッチャガッチャ言わせながら)

流石にノーヒント初見で藪の中やスカイ・クロラシリーズ解読するよりはわかりやすいし、気楽かもしれないけど……。

ニケが天然ボケ+狙ったボケ+本心を結構隠す、語らないのよくばりセット照れ屋なせいで、ギャグに噴いて細かいことどうでもよくされちゃったり、何かあるとはわかるが言語化が難しくなってんだよね……。

衛藤先生のミステリー好きは、アラハビカの美しく少し切ない構成や、2の「ククリの古い友達」の解答などでセンスよく発揮されてるもんだと思いこんでいたが……まさか恋愛ヒーローの心理が藪の中、スカイ・クロラシリーズ状態と言うことで発揮されているとは……。グルグルの裏の構成ってもはや前衛芸術では???

もちろん普通にサラッと読んでも面白いんだけどね……。
2024/07/05(金) 11:55 作品感想 PERMALINK COM(0)
改めてわかりにくいニケの気持ちを洗い出すためには、撹乱されるのを防ぐため、一度グルグルのギャグ、特にニケがやらかすギャグを全部ガン無視して通しで読まないと無理っぽいと気づいて頭痛がしそう。二本のゴボウを持った歌舞伎顔の男も、敵の武器を崖に捨てる外道も、股間に水晶玉入れて浮きながらビーム砲になってるのも、ハートを食べさせる妖怪チュウも、梅干し大名も全部だぞ。

なんのためにグルグル読むんだよレベルだが、このくらいしないとニケの澄んだ本当の気持ちがわからない。理由のない天然ボケも多いだろうけど、多分照れ隠しもかなり含まれてるので……。
2024/07/05(金) 07:14 作品感想 PERMALINK COM(0)
ニケのうんこ我慢状態で告白受ける最終回、グルグルの事を忘れていた時でもこんなようなゴミ小説を即興小説でとっさに書いてパクってたくらいには私の深層意識としてあったものみたいなんだけど。

こないだ言ったみたいに、まあ長丁場バトルでうんこしたくなっちゃうの自体はしょうがないと思うんだ、でもなっちゃったらなっちゃったで、「今うんこ行きたいから後で!」って言えばいいじゃん?って思わない?私は思う。もちろんそれじゃギャグとして面白くないとかあると思うんだけど、多分そういう事情以上にニケってそんなカッコ悪いことククリに言いたくないし見せたくないんだよな。「まさか早くトイレに行きたいなんて言えない」って言ってるしな。

こういう、よく考えるとまわりくどい事はアッチ村でもしてるんだよな。荷物持ちに疲れた~ってククリより先に宿屋に戻るシーン。まあ別にそれは普通じゃない?って思ったら、ウンコ行きたいから疲れた、宿に帰るってわざわざ誤魔化したっぽいんだよね。別に荷物持ちと買い物に付き合うの、うんこ行きたくならなかったら別に良かったっぽいんだよね。でも別にそれなら「ウンコ行きたいから待ってて」っていえば良いじゃん。でも言いたくないんだよね、多分。カッコイイ勇者様でいたいから。それが言い過ぎだとしても、ククリちゃんにそんな事いうのは恥ずかしいから。

まあ普通にウンコ行きたい時はウンコ行きたいって言った方が良いと思うけどね、バカみたいだけど大変なことだからね。食って出す生き物ならしょうがない事だしね。ククリちゃんはちゃんときりなしの塔攻略前に「トイレ!」って言ってトイレに行ってたしさ。甘やかしてもらえるお姫様と違って、物語構成的にも王子様兼勇者でいないといけないニケは大変だね。ククリちゃんの物語がシリアスで、紳士衛藤があまりいじれない代わりに、ギャグ弄りを一心に引き受けないといけないっていうのにね。でも多分ニケ本人がククリちゃんの前でカッコイイ男の子でいたいんだろうからしょうがないね、ウンコしたくても言わずになんとかしてね。

最終決戦、VSカヤでククリが死んじゃった、って思った時、原作のニケが泣かなかったのも、男の意地とかなんじゃないかなって。直後に言った「ククリが死ぬわけないって信じてた」ってのもホントかもしれないけど。キャラクターの立ち位置的にも、ニケはククリのつよーいカッコイイ理想の勇者様だから、泣くわけにいかないというか。

やっぱり考えれば考えるほど、ここのニケ解釈がアニメ版と原作で分岐してるのが面白いな。アニメは普通に泣いた。原作は泣かない。ぶっちゃけここのニケが泣かない理由、原作だとわかりにくいから、アニメでニケのククリへの想いを強調する為に泣かせたのは良い判断だと思う。アニメだとそのくらいの演出しないと感情が伝わらないと思うし。やっぱりアニメは違う描き方をしてても、限られた中での原作の拾い上げが上手いんだよね。

ここら辺の推測が妄言に過ぎないとしても、やっぱり衛藤先生的にはククリちゃんが死んじゃったって思ったとしても泣かないって解釈なんだろうね。別に冷たいなんて事はなくて、そういう強い勇者として描いてるしニケ本人もそう有りたいというか。まあちょっと男の意地が過ぎてわかんないけどね。実際なんで原作は泣かないのって感想見たし、私もそこ引っかかる部分ではあったし。

やっぱり男の人って次元問わずよくわかんねぇな……変なとこで意地張るし、その割には他の部分全部恥ずかしいし。まあ衛藤先生&ニケは男子の中でも色んな意味で特殊な個体だとは思うけどね。弱みを見せてくれた方が良い時ですら、妙な意地を張るというか。それで嫌われちゃったりするというか。もう本能的にそういう生き物なのかなぁ? 私女だからわかんない。

こういう点を考えると、2冒頭でニケが弱体化しちゃったってのはニケにとって本当に困った事態だったんだろうね。ククリを守れる強い勇者でいられないって。おっさんのホクロが大活躍して、自分がククリにカッコいいとこ見せられなかったってのは多分かなりショックな事だったんだろう。「珍しくへこんでる」ってククリちゃんも困っちゃうくらいにね。このおしゃべりなアサガオの回を、衛藤先生がとても丁寧なイベントで、感動的に描いた本当の理由がやっと理解出来た気がする……。ここやっぱ、無印のククリルクと並んで泣きの耐性がつかねえんだよな……こんなブログでグチャグチャ言わなくても初見で、感覚でホロリとしちゃったくらい。

無印の盗賊のスライさんに弟子入りを志願した時だって、ちゃんと「ククリを守れなかったのがショックだったから」って言ってたのに、2では見逃しちゃったね、すまんねニケ。でもお前も読者にすらちゃんと言わないからいけないんだよ……。

2なんとなくでも楽しいんだけど、わからないって困惑してる人いるのわかるわ……。ふんわり読めるならそれはそれでいいんだけど、なんか引っかかってしまう裏の意図があると気づいちゃうと、上手に言語化するまで行きつけない人も出て(そらそうだわかりにくいし)、わかんない、もっとわかりやすく描いてくれってなっちゃうんだろうね。1は大筋がとても王道だから、あんま細部わからなくても問題なかったんだけど、2のテーマが色んな王道からも外れているから、知ってる感覚とギャグで読み流すのがちょっと難しい時があるというか……。

おかしいな、1よりぶっ飛びギャグが減った分わかりやすくなってるはずが、2はよりわかりにくくなってるような……。

もっとシンプルに、おしゃべりなアサガオ回の励ましが、ニケにとって本当に嬉しかったのは間違いないんだよな。弱くてもまた勇者として頑張ろうって思えたくらいには。でもすぐコイツ「知らないコアラにビンタされた!」とかボケで本心隠すから……。そら無印から計35巻、仲良しなのにどこか噛み合わないままココまで来るはめにもなろうて……。

ニケ、マジで大丈夫コイツ??? グルグル2が終わる時、ちゃんと告白の返事出来る?またフワッとした事言って噛み合わないとかはなしよ???もうお前がククリを友達以上だと思ってる事はククリちゃんにもバレてんだからね????

ニケ、挙動自体はカッコよくて面白くて一切イラつかないのも、またわかりにくいってのが意味不明で、色んな意味で衛藤先生すらコイツ以上のおもしれー男作りだせないんじゃないか感が……。女の子の理想の王子勇者様に、どこか至らない等身大の少年と、一流芸人の要素混ぜちゃったの天才の所業過ぎる。カッコよくて、泣けて、笑えて、世にある無数の物語の中にたくさんの素敵な「勇者」がいても、ニケみたいな「勇者様」はどこにもいない。

こんな光の超メンドくさ太郎勇者を、上手い事逸脱しない形で、アニオリである種の最高の告白の返事を最終話エピローグで用意したの、アニメスタッフ天才か????俺も大好き、と直球に言わせなかったのがまたセンスいいというか……。このアニメ見なかったらグルグル2読まずじまいだった可能性まであるからな……。良作アニメというか恩人アニメというか……。
2024/07/05(金) 04:54 作品感想 PERMALINK COM(0)