やきにく亭
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グルグルの勇者が肩書きな理由
魔法陣グルグルがRPGパロ作品的要素があるのは、読めばわかる事ではある。衛藤ヒロユキ先生がそもそもグルグルの前にドラクエ4コマを描いていたし、グルグル内でもドラクエを意識したギャグがいっぱい入ってる。有名な、ゲームのウィンドウでのツッコミやキャラの挙動説明なんかも、そもそもはドラクエネタのバトル中のログのパロである。ザムディンも多分、ドラクエの勇者だけが使える魔法「ギガデイン」とか「ライデイン」をパロッたネタなわけだね。これも多分本当にドラクエを全く知らないと100%面白さがわからないギャグというか、ドラクエをちょっとでもかじった事がある人達は、勇者だけが使えるじすごい呪文に聞こえる響きなのに、「ただのザザのおじいちゃんの名前」ってのが面白い部分なわけだね。
グルグル2でもニケがひのきのぼうで戦ったり、ドラクエパロでいっぱいの作品なんだけど、多分一番元ネタのドラクエと違ってる部分って「勇者」の定義だと思うんだよね。
私もドラクエはふわっと7までしか知らないんで、それ以降の話はわからないんだけど、とりあえず
グルグル無印がやってた辺りまでに出てた7辺りまでのドラクエの勇者は「職業」
だよね。それで5までは勇者って、頑なに「選ばれし者、血筋」の奴しかなれないんだよね。
ここもソースがドラクエ大辞典でちょっと弱いんだけど、それを「ダイの大冒険」の「みんな勇者」っていう勇者解釈が和らげて、6から転職でキャラクターは誰でも「勇者」になれるようになったらしい。堀井雄二さんは元々ドラクエの公式メディアミックスが好きな人で、ダイの大冒険もとても気に入っているし、ダイ大から本家やモンスターズに逆輸入された特技がいくつもあるので、多分本当なんだと思うけど。
文字数の問題でちょっと名前が変わってるけど、本家ドラクエやモンスターズに出てきた「ギガスラッシュ」はダイの大冒険のダイが使う、アバンとバランの最強技を合わせた「ギガストラッシュ」が元ネタだし、メドローアも初出はダイ大の方。だからただ状況証拠を合わせても、6から勇者定義がやわらいだのは、ダイの大冒険が堀井さんの頑なな勇者イメージを和らげた、って事は多分間違いないと思う。それでもドラクエ6、7の主人公は、ストーリー的には主人公的運命からは逃げられないけれど。それはダイ大のダイも同じ。
とにかく、そのくらい
本家の勇者定義がやわらいでも、私が知ってる7までのドラクエの勇者ってのは頑なに「職業、血筋含め選ばれしもの」。
ここでグルグルに戻るんだけど、
グルグルの勇者って言うのは、ネコジタ谷でガタリさんが説明するように、ただの「称号」で「肩書き」。
そして
グルグルの勇者であるニケは、職業としてはただの「盗賊」で、血筋も「普通の村人」。
2の情報やニケの認識によると、グルグルの世界の歴代勇者達には、本家ドラクエ的な、血筋勇者はいるっぽいんだけど、今回言いたいこととは外れてるのでそこは割愛で。
とにかく
グルグルの世界の勇者は血筋や職業は関係ない称号であるらしい
んだけど、な
のにどうしてニケが勇者だって認識が読者にあるのか?
って言うと、ずっとニケの周囲の人が、特に
ククリがニケを「勇者様」って呼び続けるから。
でしかないんだよね。
ここが本当衛藤先生の巧みな言葉での魔法なんだけど、
周囲とククリちゃんが勇者扱いしなかったら、全然ニケに勇者らしい部分ってない。
無印2話で変な剣をランヤカンヤの箱から引っ張り出すのはいかにも勇者らしいんだけど、多分コレも罠というか、
箱から不思議な剣を取り出すことすら「周囲とククリが勇者扱いするからニケは勇者」って演出の延長に過ぎないんじゃないかなって。
で、
結局どうして頑なに、根幹の設定からニケが選ばれし勇者であることはこっそりと否定され続けるのか。
それは……
ニケはククリちゃんだけの勇者様で王子様でなくてはならないから。
アラハビカ編終盤、ミュージカルのくだりで、
プリンセスククリはニケを「勇者様はククリの王子さま♡」(アニメでの台詞は「勇者さまはあたしの王子様なの」)と言う。
アラハビカ攻防戦があまりに突拍子もないから、読み手はついついここを「ただの漫画の演出と思い込んでしまう」
けど、ここは
本当にグルグルの根幹にかかわる重要な台詞
なんだよね。
アニメで台詞が舞台上の気取った言い回しから変えられているのは、多分そこがあまりにもわかりにくいから、「一人の女の子の素朴で切実な願望」のニュアンスをわかりやすくするための変更
だと思う。
だから本当に、
グルグル3期アニメって読者すらはっきりと気づけていない人が大半な核心部分まで理解しきった人が作ってる
んじゃないかな。
それは本当にわかりにくい愛情で、原作者の衛藤先生がグルグルに込める想いとそっくりで
、うっすらともそこがわからない人にはグルグルアニメ三期って「ただ駆け足なアニメ」でしかない
んだよね。
その愛情がなんとなくでもわかった人は、三期アニメを尺以外は最高!って評価に持ってこれる
んだけど。
なんかもう、
愛情深いアニメ過ぎて作品としての宿命も原作とそっくり
なんて悲し過ぎるわ……。いくら素敵なアニメにしたって、そこまで同じにしなくたっていいじゃん……。この文章書きながらリアルに泣いてるよ……。
アニメ三期グルグルで本当に惜しい部分は、おそらく尺の問題でククリちゃんの目覚めた後の重要なモノローグが省かれてしまっている
事。
原作第91章、アラハビカ編を締めくくるククリちゃんのモノローグを引用すると、
「ねえ 勇者様 ククリ ときどき寝てるのと起きてるのとどっちが夢なのかわからなくなるの これは夢? これはホント? どっちがいいかなぁ勇者様?」
とある。ここもなんとなくの綺麗なポエムで読み流してしまうけど、かなり重要な部分なんだよね。
アラハビカ攻防戦は、ククリちゃんの現実にいる王子様とお友達が一緒になってやった、現実に起きた事なんだけど、ククリちゃん視点だと、アラハビカ攻防戦は夢なんだよね。そこがまた、一見ニケ王子とククリ王子が最高に通じ合ったようで、すれ違いになっていていて切ない部分なんだけど。とにかく
ここのモノローグは、ククリちゃんは寝てても起きてても最高の王子様で勇者様がそばにいるから、どっちが夢なのかホントなのかわからない、っていう、最高のノロケで最高の幸せを語っている
、アラハビカ編単体の結論としても、グルグルの根幹としても重要な部分なんだよね。
この寝てるのと起きてるのと~というククリのモノローグは、アニメでは次回予告の時に語られているが、流石に演出としてはさりげなさすぎて、わかりにくい原作の解法になるには厳しい。多分尺があったらちゃんと本編で強調したかったんだと思う。しっかし完全に削ってもいいようなとこなのに、よくこんな荒業でぶち込んだな……。また次回予告のRPGマップで、パンフォスの塔が街に変わる演出が泣かせるんだよな……。
本当に、グルグルアニメ三期は、ただの仕事で作るものとしては有り余るくらい愛情深すぎる作品だと思う。原作への愛はあふれ過ぎるほどあった。ただ、本当に、尺だけがなかった。そこが本当に悲しいし残念でならないし、もったいない。
もしもグルグルアニメ三期に50話くらいの尺があったなら、あまりにも込み入っていてわかりにくい原作の愛情物語の神髄を、アニメを見るだけで(なんとなくだったとしてもかなりわかりやすく)理解出来る、メディアミックスの理想体で完成系になれるはずだった。でもおそらく時代的に、一作品に24話以上の尺を取る事は出来なかった。多分、24話の枠を確保するのだって今の時代大変だったんじゃないかなって思う。
それでもアニメ三期と原作の真意に気づけてしまった今、アニメが本当にただ尺だけの問題で、原作と同じ、わかる人にしかわからない作品という悲しい宿命部分まで模倣するにとどまってしまった事が本当に残念でならない。
ネコジタ谷で、ガタリさんの説明で、ニケは職業的な意味での勇者じゃない、本当にニケが勇者でも、職業自体は別にあるってククリちゃんが聞いた時、原作ではククリちゃんは目を丸くして、ガタリさんの肩を掴んで「え~~っ勇者様は勇者なのよぜったい」可愛く驚いてて、近くでニケも「オレはいったい何のレベル2なんだ~」って言ってるんだけど。
アニメだとここはコミカルながらもっと過激に、ククリちゃんがガタリさんの胸倉つかんで、駄々こねまくる女児のニュアンスで「ええ~勇者様は勇者さまなのよ絶対!!」って言ってるんだよね。その上ニケまでガタリさんにつかみかかって「オレはいったい何のレベル2なんだ~」って喚き散らしてるんだよね。
まあアニメ映えの問題だろ、って言われるだろうし、多分そういうニュアンスも多めに含むけど、やっぱりここも、原作があまりにもわかりにくいから、笑えるコミカルに混ぜる形で、ククリちゃんの揺るぎない願望を強調してるんだと思う。
「ニケは絶対にククリだけの勇者様でなくてはならない物語」
だから。
やっぱりグルグル無印最終話の「これからはニケって呼んで」は、照れ屋で献身的で、読者にも普通の読み方じゃわからない形でしかククリの愛を語っていないニケの、今までの大冒険なんかよりずっと勇気が必要かつ、切実で一番のワガママだったんじゃないかなって。
「勇者じゃなくても、大好きなククリと一緒にいていい?」
って。
ここで
完全にグルグルが終わってたら、(すっげぇわかりにくいけど)最高のハッピーエンドだった
と思うんだが……。幸か不幸か、
2は始まってしまい、ククリはニケを恥ずかしさから勇者様としか呼べない状態が続いている事が判明してしまった
のだよなあ。
もちろん
2を描くため、「ニケ君ではなく勇者様」が必要だったっていうメタ的制作的事情
はあったと思うんだけど……やっぱり
ここに関してだけは、ククリちゃんはただ一人愛する男に対して、絶対にやってはならない事をしちゃった
んだと思う。
ククリちゃんが続編でも「勇者様」って呼び続ける
から、
実際は勇者の力なんかとっくに取り上げられてしまっているにもかかわらず、ニケは勇者様をやり続けなくちゃいけなくなった。
恥ずかしさに負けず、ニケ君、って呼んであげる事
が出来たなら、グルグル2では年頃になったら確実に結婚して夫婦になる、明確な彼氏と彼女としてラブラブ冒険が出来たと思う。
ここに関して、
ニケか他のキャラが「ククリだってニケの事ニケ君って呼んでくれないじゃん、ククリだって悪い」
って言える作品だったら、多分グルグル2は前作より長く続くこともなく、無印の補足として、もっとサクッと綺麗に閉じたんじゃないかな。或いはただのラブラブ恋人冒険か。
ただ悲しい事に、いっそ恐怖する事に、
グルグルの世界は子どものころ可哀想な境遇にあったククリちゃんを幸せにするためだけに存在する世界
であり、
だからここでは被害者のニケも、大親友のジュジュも、そして世界を描く作者すらも、ククリちゃんに「お前も悪い」って言えない。
あと
大前提として
、カッコイイ事にある意味一番困った事に、
おそらくニケはククリのためならまた勇者すること自体は全然苦じゃない
という。お前……ホントにククリにホレすぎで大丈夫?一度もククリに怒った事ないしこれからも怒る気もなさそうな男ってのも困ったもんだな。流石にニケ君って呼んでくれない事だけは、怒ってワガママ言っていいのに……。そしたらククリちゃんだって頑張ったと思うのに、ニケってククリが大好き過ぎて、ククリのワガママを叶えてあげるのが存在理由で行動原理すぎて、そして多分それがニケにとっても幸せで、だからずっと、私がおばさんに差し掛かってもカップルになれていない。
だから
運命的な仲良しコンビ
であるにも関わらず、このブログで散々わめいたように、
前作からからずっと、ニケとククリって肝心なところで一生すれ違い続けてる
んだよね。
ハッピーエンドのアラハビカ編すら。
衛藤先生……もう賞賛として言うんだけど、衛藤先生がグルグル2終わった後漫画描き続けても、グルグルを越えるってのは多分無理だと思う。がじぇっともウサギテレビも先生なりにすごく気合い入れて作ったのはわかるけど、グルグルほど込み入ってて、例え誰に理解されなくたっていいくらい、作りたい恋物語を作り上げたっていう手ごたえ、衛藤先生にすらそもそもないんじゃないかな??私の思い込みだったら本当に申し訳ないんだけどさ。
20年も衛藤先生を担当してるらしい担当編集さんが、多分仕事上では一番の理解者で、仕事上ではおそらく一番間近でずっと衛藤先生の心を支え続けてきた一番の読者っぽいってのも、作家として最高の幸福かつ、ある意味不幸というか……。
グルグルという一種の芸術みたいな恋物語は、わからない人には本当になんとなくすら理解出来ないから、結果論として衛藤先生はやりたい事をやりながら、グルグルで大ヒット出来たわけだけど、担当編集に作り方を否定され捻じ曲げられ、グルグルが思った通りに作れなかった世界線って普通にあったと思う。素敵な担当さんでホント、良かったのか悪かったのか……。
2024/07/06(土)
23:46
グルグル考察
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花散の冬矢とグルグルのニケ、実はある方向性が同じ
この世で多分ここでしかほざいてない、私と同類しか理解は不可能な怪文書。
確かに某カピ氏の言うように、花散峪山人考の冬矢とグルグルのニケは、全く作風も描き方もテーマも違うのに、その本質は同じと言えると思う。
同類以外に全く理解してもらえないと思うが、(というかそもそもグルグルと花散を両方知ってる人は多分ほぼいないと思うが)、冬矢とニケは「たった一人の女に捧げる献身的な愛」「そしてそれが誰に伝わらなくてもいい」という点では同じだと思う。良いも悪いも男の愛っていうか。
多分どちらも「別にわかる人だけわかってくれればいい」って感じに描かれた作品、って事も多分魂は近い。方向性というか作品の空気は極限のマイナスの花散、無限のネアカプラスのグルグルで全く違うんだけど。
どっちも「男の人にしか描けないものだな」って感じるある種の強烈さとか、「女でコレが死ぬほど刺さって抜けなくなるタイプはいる(自己紹介)」とか、まあとにかくなんもかも違うのに何故か性質が似ている。
まあ流石にグルグルを楽しんでいる人に「花散も刺さるよ」などと渡したらキチ〇イの挙動だけど、花散とグルグルというか、冬矢とニケが同じような刺さり方する人は少数いる。少なくともこの世に二名はいる。
まあ全く違う部分としては、冬矢は好きな女が死んだら壊れてイカレて破滅したけど、ニケは好きな女が死んだと思っても泣かない(原作は)打開策を探す点は全然違うな。そもそも世界観が「幻想ものだが、突き付けられるものは何処までも辛い現実」である花散と、「どこまでも優しいメルヘン」であるグルグルじゃあそら色々違うと言われればそうだが。
世界観は置いといても、同じような場面で取る挙動が全然違うんだが、違うんだが、なんか強情にもほどがあるって意味だと何故か似てるように感じるの、私だけかな。我ながら言葉が下手だと思うんだけど、北極と南極って全然対極の場所にあるのに、どっちもクッソ寒いじゃん。なんかそういう感じ。極限まで反対だと何故か似通ってくる。
ニケが原作でククリが死んだと思っても泣かないの、別に冷たいんじゃなくて「極限までアイツは陽キャ」とか「作者の中で、シリアスの時には全く泣かない、ククリの為の強いヒーロー」として考えられているとか、「本人が言ってるようにククリが死ぬわけないとただ純粋に信じていた」とかそういうちゃんとした理由があるとは思うんだが。とにかく、あそこで泣かない男として描かれるの、復讐はただの独りよがりだとわかって最後までやらかす冬矢とやっぱ何かが近く感じる。男の意地というか。
っていうかその「ククリが死んだと思っても泣かないニケ」に不満を抱いている同じ女子ファンをネットでみかけたんだけど、多分何か意図はあるんだろうけど、好きな女が死んだと思っても泣かない事に関して普通に女子のヒンシュク買っちまうのって、もろ男の意地じゃね?
でもククリが死んだと思っても泣かない原作ニケを叩くのは簡単だけど、そんな原作ニケも、アラハビカ編終盤でジュジュに冗談で「ククリちゃんはもうニケくんの事を考える部分(ハート)はいらない」って言われた時は(ギャグ顔でだけど)泣いてるんですよ。好きな女が死んだと思っても死ぬわけないって信じる男が、好きな女に「お前なんかいらない」って言われた(と思い込んだ)ら泣いてるの萌えませんか?
確かにアニメ版のニケがククリが死んだと思って泣くシーンは良改変だけど、同時にここのジュジュのジョークのくだりは、おそらく尺の問題でアニメはカットされちゃってるんですよ……さて、原作とアニメ、どっちの解釈が良いかな???
私もククリちゃんが死んだと思ったら普通に泣いて欲しいとは思う反面、原作の泣かない、ククリが死ぬわけないって信じてたニケのがらしいといえばらしいようにも思うんだよな。恋は人を変えてしまうものなので、普段は絶対諦めないのにあそこで泣いてしまうアニメニケも、キャラ表現の正解の一つだとは思うけど。まあもうここら辺はどっちがいいとか正解というより、完全に好みだね。
2024/07/06(土)
19:53
グルグル考察
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同じ穴のムジナ
前に「毎日映画何本も見て、漫画描きまくってたTwitter(X)の相互が、とある映画を見て「自分が見たかったのはこれだ」と言って全部の作品を消して消えた」みたいな話、そんな事ある???って思ったけど、「一生懸命色んな本読んだり下手な創作しないでグルグルアニメか原作見ればいいや……」ってフニャッフニャの頭になってしまっている今、「なるほど」ってなってる。(別に私は全消しドロンはしないが)。
コレの話の真偽はさておき、なんか「誰かにとってのそういう作品(全部これでいいや)」があるってのはわかる。
っていうか私の最近の挙動は女児通り越して「アンパンマン飽きずに何回も見てる幼児」と化してる。
アンパンマンも実際映画の方はちょっとハマって近年何作か見たしどれも面白かったんだが、個人的な感想としては、グルグルの癒し効果ってアンパンマンを凌駕するというか……。
アンパンマンの映画は、実は結構怖い。大人が見てもとても面白いし、もちろん幼児向けだから最後は必ずハッピーエンドにしてくれるけど、それまでの過程は結構怖いものが多い。各作品ごとに結構空気は違うけど、テーマも結構難しいものが多い。園児くらいの子向けのコンテンツだけど、映画は最低でも小学生くらいじゃないとわからないんじゃないか、ってくらい。
「勇気の花がひらくとき」のヒロインのきらら姫が、「アンパンマンの愛は自分にだけ向けられているものじゃない」って知った時、アンパンマンの顔のパンを焼くのに必要な、希少な花の蜜のビンを叩き割ってしまったくだり。これもちろん大人の私は理解出来るけど、(公式解答は知らんが、大切なものを割って独占欲を満たそうとしたとか、とにかく憤りを、相手の大切なものを壊す事で収めようとしたってそういう方向性は)、子どもはわかんないんじゃないかな、みたいな。その後のマジで絶体絶命になるアンパンマンと共に、ここのわからなくてもなんとなく不穏からの、超カッコイイアンパンチ逆転劇がわかればいいんだろうけど。
いのちの星のドーリィとか、ホッカイロレンさんが大絶賛してて評価も高いから見てみたら、話に入り込むタイプの私は普通にちと怖かったんだよね、私。だって終盤の展開、本当にあのアンパンマンが↑の勇気の花がひらくとき以上の絶体絶命に追い込まれるし……。単純なテーマ性も「何のために生きるのか?」ってシンプルかつ難しい問題だし。
まあだから、グルグルが本当に幼児向けでも存在しないレベルの癒しっていうか……。同じガンガン出身作家が描いたARIAでもここまでの癒しは無理だな……アレ終盤、作者さんの愛猫達が立て続けに亡くなってしまって、明らかに作風変わっちゃったし……。終盤の切ない展開も含め、ARIAはARIAで好きだし、そんなの当たり前の事なんだけどね。そういう体験は衛藤先生も普通にしてるのに、作風にそれが何も出て来ない衛藤先生がやっぱりニケばりの光過ぎるんだよね。流石と言うか、こういう作家だからニケなんてすごいキャラ作れたんだろうな……。
むしろ天野こずえ先生、色々著作見るとなんでARIA初期~中盤みたいな作風に変わったんだろ??ってなるし。もうとっくにない地元の本屋で、ARIA表紙買い→その後浪漫倶楽部、夢空界、空の謳、AQUAって感じのルートでこの人知ったんだけど、どっちかと言うとこの人の本質は「世界は悲しい、それでも前を向きたい」だよね。AQUA~ARIA中期までの雰囲気の良さは確かに秀逸だけど、当時としても浪漫倶楽部~短編集夢空界とかのが刺さった覚えがある。だからARIAの終盤の空気は、単に元に回帰しただけとも言える(なんなら重さを突き付けられる場面も多い浪漫倶楽部や切ない種明かしのある夢空界に比べれば十分優しい)
っていうかそもそもARIAの世界も、前日譚となるEARTHに関しては結構ショッキングな話だしな。(感動もあるけど)。そういえば天野こずえ先生も気づきにくい優しさを描くよな、悲恋カップルが別の作品のモブ背景だと幸せそうにクリスマス過ごしてたり……。やっぱり作風の変化の理由は、自分で描いてて辛かったのかな……。
なんというか、昔のガンガンの作家さんって、押しつけがましくない本当の優しさとか綺麗なものとか描く人が多かった気がする。
天野こずえ先生の作品も買い戻したくなって来たな。謎に電子になってなくて諦めた浪漫倶楽部も電子化してるみたいだし。しかし金がもうない……。
しかし、ひたすらハッピーエンドとか優しい世界を求めるならわかりやすくていいのに、「本気で思ってないなら、思いっきりよく出来た悲しい物エグイ物作ってぶつけてくれた方が心象良い」って性質、本当に自分がめんどくせぇよ……。
多分中途半端なグルグルもどきとかぶつけられた日には、キレながらブッコフに売った自称セカイ系粗大ゴミラノベみたいに、一年以上キレ散らかすと思う。
2024/07/06(土)
18:28
作品感想
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細かすぎてわかりにくい気持ち悪い楽しみ方選手権
衛藤先生の亡き愛猫・トラマル君(クドイ顔のネコ)がお魚咥えて持って行っちゃったグルグル6巻後書き漫画で、トラマル君の漫画のネコみたいな挙動に笑うんじゃなくて、「なんの脈絡もなく、いきなり無から衛藤先生があまり好きじゃないはずの焼き魚が出現している」ことに笑い散らかしてるの、間違いなくこの世で私だけのキチ〇イ行為だな……。
これ、多分テンポの問題というだけで情報消されてるんじゃなくて、多分意図的に「誰が衛藤先生があまり好きじゃない焼き魚を用意したのか?」って情報が消されてるんだよな……だってその後の実家に帰省した時の話だとちゃんと弟さんもご両親も描写があるし。ここで散々わめき散らかしてるグルグルミステリーだよ。用意したの、ほぼ間違いなく奥さんなんだと思うけど、照れ屋ってレベルじゃねぇな……。だって徳弘雅也先生が同じ体験して漫画描いたら、「奥さんが用意したお魚をネコが咥えて持って行っちゃった、がっかり」って文脈で普通に描くと思うし。
作風も挙動も久米田先生より照れ屋な人がこの世に存在してる事に、まともな冷房のない、クッソ暑い部屋で震え散らかしてる……。っていうか久米田先生がごく普通に素直な人に見えてきた。実際あの人、本当にやりたい事は素直に描いて提示してると思うし。
しかし衛藤先生の描くネコちゃん達、みんな濃いめの独特の顔してるのにみんな可愛いな。
2024/07/06(土)
17:12
グルグル考察
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全部埋めてくれた
しかしアレだな、グルグルアニメを見て、2読んで、無印も買い直したら、ここ数年ずっと、割といいもの書けても、すごく素敵な作品を山ほど読んでも、何かの作品に夢中でも、どっかにあった感じのぽっかり空いた穴が全部埋まった感覚がある……。そらまあ創作始めのころからずっとグルグル模倣してたレベルくさいってなればね……。
まあ確かに……グルグルってなると、超いい作品に100や1000出会えても替えはなかったろうな……。無意識レベルの模倣も、当然ながらちょっと良く作れたところで、本家ほど上手く行くわけもないし……。(無意識のノーヒントじゃ尚更)
「花散のライター希さんが花散を作ったきっかけが、大好きなぽぽたんのゲームにも関わったライターの煽りがキッカケかつ、スペシャルサンクスに夏夢夜話作った水無神知宏さんもいた」ほど私のオタク人生ライフの壮大な伏線回収なんかないと思ったら、コレを越えてきた……。
あーそっか、積極的な作品消化がグルグル読み直して以来何も上手くいってないの、多分作品読みまくってたのすら無意識にグルグルをずっと探してたからなんだな、多分……。なんでそれでグルグル買い直すとか、2を読むとかに至らなかったのかな……数年前、がじぇっととウサギテレビは買ったのに。どっちも良かったんだけど、やっぱ同じ作者のものですらグルグルの代わりは無理だったんだな……。
っていうか創作のやる気すらなくなっちゃったんだよな、グルグル見直してから……。多分10年以上、ウケもしないのに謎に熱心に創作してたのすら、二次創作含めグルグルが手元にないから(そして、その自覚症状すらないまま)作ってたみたいなとこあるっていうか……。
いやホント何!?その「忘れた大切なものをただただ無意識に追い求め続ける人(しかもかなり惜しいとこまで行って、気づかずすれ違うくだり付き)」ムーヴ……。惜しい、惜しいなぁ、私が男だったらもうその感性だけで鏡見てシコれるレベルのナルシストになれたろうに、女だから自分でクッソどうでもいいわ……。っていうか鏡とか、公衆便所の洗面台みたいなどうしようもない場面覗いたら冗談抜きで十年くらい見た記憶がない。
私やっぱり、認めたくなかったんだけど、自分の創作物より自分の挙動のが1000000000000000倍くらい面白くなってしまう人間なんだな……。天然で……。そんな才能、いらん。なんでリアルでしょっちゅう自分が笑われるのかわかんなくて、笑われるのすごく嫌だったんだけど、やっとちゃんとわかった。こんなやつ笑うわ。ホント一人でよくそんな面白い挙動出来るよな……。
こんなに好きなら、ちょっと無理してでもグルグルアニメ1期・2期DVD買おうかなぁ……いやでも、尺のなさはともかく、最新三期ほど良い解釈でやってくれてる気がしないんだよな……。サントラとグルグルランドはポチったし、探すなら劇場版とノベライズ辺りでいいかな、とりあえず。
しかし、記憶の奥に追いやっても忘れきれてなかったって、やっぱニケも衛藤先生も、押しつけがましさがなさ過ぎるのは罪だよ……。ニケと衛藤先生にもうちょっと図々しいところがあれば、こんな薄情に忘れず済んだのに……。別にニケと衛藤先生ならちょっと押しつけがましくても良かったのに……。ニケと衛藤先生がニケと衛藤先生過ぎるせいで、感動や鬱や愛が押しつけがましいと感じる作品や作者大嫌いになっちゃったじゃん……。
私の何億倍も熱心なファンがいるのはわかるな……なんつーかコレの神髄になんとなくでも触れちゃって刺さっちゃった人って、その後グルグルを追い求めるしかないというか……。自分でオタク人生の半分くらい使っちゃって、やっちゃってたように……。
2024/07/06(土)
15:05
作品感想
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初(多分)快挙なるのか
流石にニノチカ・ひろゆき名義時代とその他電子書籍になってないやつまでは知らんけど、衛藤先生の作品でチューまで行ってるカップルがそもそもニケクク(しかもほっぺまで……)しかないと思うんだけど、もしかしてグルグル2で口チューまで行ったら衛藤作品史上初の快挙になるのでは???
しかし多分これも無意識に私が創作でパクってたと思う「目覚めのキス」すらほっぺで終わるっての……今思うと本当に純な漫画だな……。だって私でもそこのシーンは流石に口にさせたし、そもそも元ネタの眠り姫、それと似てる白雪姫とかだって口に行くじゃん、でも衛藤先生アレンジだとほっぺ……ほっぺ……散々妖怪チュウとかでいじろうが何しようが、もう既に初々しすぎて恥ずかしいな……。
まあ衛藤先生にとってククリ姫は聖域だから、運命的な両思いだろうと、寝てる間に口にチューはそれこそ陵辱に匹敵する悪なんだろう……怖っ!!(※この怪文書記事には邪推しかありません)
いや……でもハツカレとか、オニデレとか、グルグルと同じ濃度の初々しいカップルでも、まあこれらは作中既に恋人同士とはいえ、寝てる間にファーストキスくらいのちょっとした背徳はあったんだけどな……。
流石に今回は愛の伝道師に「ククリちゃんは口にチューしてもらえばいいのです」って言われてたり、最近ジュジュが「パートナーを呼び出すグルグルがある」ってさりげなく言ってから離脱してたりして、また久しぶりに二人きりになったから何かあるとは思うんだが……何と比べてもグルグルほどの焦れ焦れカップルが私のデータに存在しない未知の領域の為、不安になってきた……。似た系統の魔王学校ですら、告白自体は作品中盤で完全に成功しているし、寝てる間にためらいなくデコチューくらいは行くし……。
やっぱりグルグルって少女漫画より初々しいよね……だって少女漫画は流石に最終回は大抵口チューまではいくし、どんな焦れ焦れ系でも……。こ、こんな初々しいカップル僕のデータにない!(噛ませくさいデータ系キャラ風にグルグルの初々しさに敗北しながら)
マジで衛藤先生のこの感性どうなってんだろうな……少女漫画好きは知ってるけど、それにしても少女漫画だってもう少しエッチなんじゃないかなって。多分私の知ってる少女漫画よりもっと古くて初々しい感覚のものを参考にしてるのかな……私が読んでた少女漫画は、健全でも最後口チューはほぼノルマだったしな……。私が読んだ事あるやつで言うと、陸奥A子さんくらい多分古いのかな、良い意味で……。立川恵先生とかですらないな、多分。この人もいい意味で古典的で初々しい作家だけど、多分これでもグルグル恋愛に比べたらエッチでダメなやつ。
評価厳し過ぎだろ流石に!!
しかし本当、この感覚でどういう風に結婚まで至ったんだ……奥さんがもっと押せ押せなククリちゃんみたいな人だったかつ、超両想いだったとか?(※既に衛藤先生から行った発想がない)ダメだわからん……。
ニケククって普段元気いっぱいでスゴイ仲良しだからわかりにくいけど、アイツら奥手×奥手だからな……。ニケが初期の挙動通り本当にナンパな野郎だったらもう少し話は早かったのに、原作読み返すとその初期ニケ特有のナンパ野郎の挙動すら、おそらく本気だからククリには発動してないって言うね……。三期アニオリギャグでもなかったのを思うと、やっぱりナンパニケは、2では消え失せるくらい意識的に出さないと出ない一面だったのかな……。
ニケの気持ちはそれこそ衛藤先生かニケ自身じゃないと基本わからんけど、やっぱナンパ男だった一面だけは素でやってるものじゃなくて、意識してやってるような何かに近そうな気はするな……。ボケとかもっと直球なスケベは天然がほとんどだろうけど。(この辺もわざとやって読者やククリをかく乱してる箇所があるっぽいから、またややこしいんだが)
衛藤先生見てると「別に読者視点で明確な両片思いだったら押し倒す・勢いで口にキスくらいはいいだろ」とかいう考えの自分がすごく変態に見えて来るんだが……。えっでも別にそんな変じゃないよね、この感覚は……。私がやりがちな歳の差カップルが抵抗あるとかそういうの置いといたらさ。グルグル読んでると自分の価値観が崩壊しそうになるんだ……。
っていうか別に昔のガンガンでも口にキスまでは普通に良いんだよね???ハーメルンのバイオリン弾きもホモキスはしょっちゅう、男女の真面目なシーンでもライエル×サイザーでやってたし……。(乙女側からのなんか漢らしいキスではあったけども)っていうか結局完遂はなかったはずだけど、ハーメル×フルートだってお互いの意志で口にキスまで行こうとするシーンは何度もあったはずだしな。こっちは最終回で2カップル両方結婚して子供いるし。
ああ、つまり衛藤恋愛センス、ハーメルンのバイオリン弾き以上に幼いのか……そりゃ重症だわ……。
なんか、久米田先生が結婚してるとかはなんとなく感覚で理解したんだけど、衛藤先生だけ、ショックとかでもないのに、既婚と知った瞬間ただ反射的に「えっ!!!」ってめっちゃくちゃ驚いたのの、多分無意識に「この初々しすぎる恋愛センスの人がどうやって???」みたいなすごい失礼な感覚があったな???っていうか久米田先生の育ってダーリンだって、完結編で寝てる間に口チューくらい行ったんだよなぁ……。そうだよな、全年齢漫画の描写として、読者視点で両想いカップルなら口まで寝てる間に……は別に全然変じゃないよな……うん。
やっぱ衛藤センス、勝手に無意識に指標にしてたくさいレベルなのに猿真似すら出来ない感がすごい……そもそもそんな発想を私がとっかかりも持ってない、って要素が多すぎ。
2024/07/06(土)
13:55
グルグル考察
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