急に「そうだ、衛藤先生が好きって言ってたレイ・ブラッドベリの霧笛が載ってる短編集借りて来よー♡♡」って急に思い立って隣町の図書館に行って、本借りてルンルンで家に帰ってくる途中、無印で砂漠を歩いて干からびかけていたニケクク状態に暑さでやられかけた。ククリちゃん風に言うと「スクリーントーンもなくなっちゃった」状態だった。夏の暑さ舐めてた……。直射日光ってやべぇんだなぁ……。そういえば昨夜からここでグルグルの事で騒ぐのが楽しすぎて一睡もしてないし、飯もろくに食ってなかった。やべぇ。

ギャグ風に描いてるけど、こういう「砂漠で干からびかける」みたいなちょっとした描写も、考えて見ると、何気なく旅のリアルはちゃんと描いてあるんだな、グルグルって……。いつもニケとククリが元気いっぱいに旅景色を楽しむから、臨場感みたいなものがあるっていうか……。アラハビカも、ククリちゃんとニケが二人でとても楽しそうだから私も素敵な街だと感じるんだろうなぁ。

ところで、歩きながら考えてたんだけどさぁ、衛藤先生がそもそも悪意とか差別とか、嫌なものを描くのが嫌いなのは前提の上で、ククリちゃんに対しては特に潔癖なんじゃないかなあ?って思った。恋愛も含め。なんつーか聖域に近いって言うか……。

がじぇっとのメインカップルは序盤でちゃんとお付き合いまで行くし(お友達からではあるけど)、ウサギテレビのイービィ達はそもそも最初から許嫁で、ちょっと女の子側がツン気味だけど、その事自体はなんだかんだとお互い当然みたいに思ってる感じだし。

で、「物語に必要な悲しみや悪意」に対しても、デキルコ外伝は優しさには溢れながらも一応陰口くらい叩かれるし、追放ものの構成にはなってる。魔王ちゃんも、想像よりは優しいお話に仕上がってるけど、キッパリと失恋自体は体験させられている。がじぇっとも、一個前の記事で言った通り、作品に必要ないじめ描写に関しては、一応描写がある。

ってのを考えると、ククリちゃんだけ、世界の悪意も恋愛も、すごい潔癖じゃないかなぁ、って。元々衛藤先生が悪意を描くのが本当に嫌な上で、恋愛も微笑ましいものばかりな上で、ククリちゃんはそこに輪をかけて色々出来ない事が多いんじゃないかなぁって。何でって、ニケを除いたら衛藤先生がこの世で一番ククリちゃんを愛してるから……。なんというか「12年間も閉じ込められていた女の子なんだからもういいだろ!!そしてこの子に変な事すんなよ!!」みたいな「圧」がないか??って。


単に「両想い同士キスしたり、お付き合いする」みたいな普通の付き合いの範囲含め、ニケと一緒にククリちゃん汚せないのかなって……。まあパンツ見たりくらいはしてたけど、「物にしてしまう」って事に普段以上に罪悪感があるほど特別なのでは???って。まあ流石にここまでくると妄想の域だけど、グルグル2はそんな風に、進めようとしても進まないまま19巻まで来てしまった感じがする。衛藤先生もニケククが、ククリちゃんが楽しそうに旅をしてるのを描くの自体は楽しいし、ファンもニケククが好きなら裏切ら慣れない安定性で読み続けるしで、ただ進みもせず、しかし安定感はあるままイチャイチャ旅してるだけで19巻まで来ちゃった、みたいな……。急に最近まとめに入った感があるのも、そこにようやく衛藤先生が気づいたんじゃないか?みたいな……。まあ流石に妄言の範囲だけどね。
2024/07/06(土) 12:07 グルグル考察 PERMALINK COM(0)
別にこれからもいい作品はいっぱい見つかるだろうけど、「自分が創作する時一番ぴったりくる指標とか目標」みたいな枠で言うと、ちょっとグルグル以上って今後出会えないのかも。

悪い意味じゃないんだけど、やっぱ狂四郎2030とか聖剣の刀鍛冶とか花散峪山人考みたいなのは素晴らしい名作と思っても、読んでてツライはツライんだよな。少なくとも、日常的に何度も何度も読み返すってのはちょっと私には出来るものじゃない。グルグルは本当にいくらでも読み返せる。自分にとって、ストレスってもんがない。そして作り方はかなり手が込んでるけど、伝えたい事がシンプルで柔らかいから、グルグルそのものは作れなくても、作る時空気とか感覚の手真似みたいな事は出来るというか。っていうかそこそこ良く出来たり、ダメダメでも一応完成出来たものの陰にはいつもグルグルがあったような気がする。

なんとなく創作しながら感じていた、「本格的なハイファンタジーはダメだけど、シンプルなメルヘンにすると自分にしては上手くいく」ってのもやっぱグルグルがどこかにあったと思うというか……。グルグル自体は多分裏設定は細かい作品だと思うんだけどね。衛藤先生は色々決めるの嫌いって言うけど、多分作品やキャラクターの根幹にかかわる点は、アドリブ系作家でもガチガチに固まってるタイプだと思う。その場でまだ決まっていない事が多かったり、設定資料とかガチガチに作るタイプじゃなくても。舞勇伝キタキタとかみたいに、そういうの良くも悪くもわざとぶっ壊してるっぽい著作もあるとは思うが。

狂四郎とか花散みたいなのは、読むのはまだいいけど作る時、それそのものを作るんじゃなくて、感覚として真似ようとするだけでもやっぱり辛い。っていうか作ってる本人らも辛かった作品だろうし。狂四郎なんか、あんなちょっとの後書きの文量でもそれがわかるような作品だし。伝えたい事の為に必要だからやってるだけだし。

衛藤先生はグルグル終わっても創作ずっとすると思うけど、衛藤先生もコレ以上ってかなり高い壁だと思うしな……。衛藤先生も多分、無印終わった時「グルグルの人」で留まりたくない葛藤って絶対あったと思うんだよな。ただ、あまりにも初期作(初連載ではないらしいけど)でいきなり、ニケとククリ、あの優しい世界、そして一番話題にされるギャグ、何もかも作家(というより衛藤先生はやりたい事的に芸術家って言った方がしっくりくるけど)の一つの最高峰として完成され過ぎてしまったっていうか……。

グルグルって衛藤先生のサグラダ・ファミリアっていうか……。いやアレと違って作者がいる間には終わるっていうか、そろそろ2も終わりは見えてると思うけど。多分そういう部分ある代表作に、色々複雑な気持ちとかは裏にあったとは思うけど。グルグルを描くのが嫌ではなくても、他の創作もやっぱりしたいって部分はあるんだろうな、音楽活動やってらっしゃるってのもそういう事だろうし。でもグルグル2以降、原稿落としたり休載したりってほぼないんでしょ?いつ寝てるんだあの人……。やっぱ陽キャ過ぎて狂気な人だ……。

っていうかまだあるんか?って話だが、私が秒でくっついてるようなカップル作りがちなのも、やっぱグルグルみたいなカップルを上っ面だけ真似ちゃってたんだと思うな……。(これは好んで読んでたイチャラブラノベ群の影響もデカいだろうが)。何にしてもああいう鉄板カップルものは、他に何かしらストーリー描けないと厳しいって言うのにね……。

しかし20年もかけてグルグルの神髄に触れた今でも、「もっとわかりやすくしてくれよ……!」って気持ちがあるな。今の担当編集さん、本当に衛藤先生と魂が合うんだろうね。グルグルの伝わらない描き方って、やっぱ普通の編集さんならストップ描けちゃうと思うんだ。その作家さんに一読者として惚れているほど。

最低でも、差別そのものは描かなくても、無印の一つの節目のアラハビカ編くらいは、「魔物と人間の間に対立、壁がある」って、説明くらいは入れさせると思うんだ。多分それすらも衛藤先生はしたくなかったんだと思うけど……。ずっと暗闇に閉じ込められていたククリちゃんに向けた、楽しい冒険世界でありたいから。

衛藤先生ってすごく優しい人だとは思うけど、すごく強情な人でもあると思う……こんな人が、舞勇伝キタキタで一度、自分のやりたい事を捨て散らかしてしまったのか不思議だよ……。

一応あの人の著作にも明確ないじめとかの描写がある作品自体はあって、それが「がじぇっと」なんだけど、アレもまあ、直接のシーンってほっとんどなかったし、本気で悪意描くの苦手な人だよね……。「がじぇっと」のイジメ描写も、これが話の根幹になっているから渋々入れたような感じで、ホントに必要最低限だし……。

考えて見たら魔王ギリも、部下達で明確に愛嬌のないドクズっていなかったもんな。ギリだけじゃん、ホントのクズ。なんだその魔王軍……。
2024/07/06(土) 09:48 作品感想 PERMALINK COM(0)
マジでアラハビカミュージカルに自分の好きなものの全部が詰まり過ぎてるというか、アニメも原作も何回見ても飽きない……。ドキドキ伝説の方のアラハビカも気になるっていうか、なんとか終盤のアラハビカ回辺りだけでも手に入らないものか……。アニメだとプリンセスククリの乗ってるブランコが月の形になってるのすごく好きなんだよな……。グルグルは1から月の物語だからね(アラハビカはくまたいようだけど)。衛藤先生、お日さまも好きだけど、より好きなのは多分お月様の方だと思う。がじぇっとも夜が印象的な漫画だった。

劇中劇が好きってのも絶対アラハビカのせいだよな……。ちょっと前の記事で貼ったクソラノベでもやってたし。多分アラハビカしながら夏夢夜話もだいらんどとぬいぐるみのごっこ遊びもライナスの毛布もしたかったらしいんだよな、要素多すぎ。多分アラハビカ、夏夢夜話、だいらんどに加えて中村九郎先生の「曲矢さんのエア彼氏3巻」も入ってるなアレ。要素多すぎ(2回目)。グチャグチャとはいえよく7万字以下に全部コレ入ってるな。つまらないという致命傷はあるが、好きなものを全部ぶち込んで、自分の当時の語彙力全部を使って美しい文章を書こうとした痕跡がある辺り、やっぱちょっと憎めないな。

へっぽこアルジェンがどうも自分なりの勇者ニケの模倣らしく、それでまぁまぁいいものが出来たのを思うと、これ書いた当時に勇者ニケをもっとうまい事模倣出来てたら、もっと万人に面白く出来た気がする。やっぱ男の子描くの好きな割に得意じゃないんだな感。いや仁もニケ王子を無意識に自分なりに作ろうとしてたんだろうけど、流石に解像度が低すぎ。

それでトマとジュジュなんだけど、この二人ってニケククが鉄板過ぎるから、消去法で原作でもファン的にもコンビにされるようなところあるんだけど。アラハビカでプリンセスククリが溶けた時、ニケと一緒に普段からは考えられないくらいトマがぶち切れて一緒にキタキタおやじボコってたり、ネコジタ谷でトマがニケと一緒にククリの裸覗きたがったりしてるの見ると、トマってジュジュとククリならどっちかっていうと多分ククリのが好きだよね? もちろんレイドみたいな、ニケを押しのけてまで手に入れたいほどじゃないけど。

逆にジュジュは、2で呪われたニケをカッコイイって言ってたり、キスされて満更でもなさそうだったり、「ニケくんと戦いたくない」って言ってたりしてるのを見ると、やっぱニケとトマならニケのが好きそうだよね。ここら辺のジュジュはほんのりとだが、ニケを好きなんじゃないかって話はファンの間でも出てることなんだけど。

まあグルグルがもう根幹から光の勇者と勇者に助けられる闇の姫過ぎるから、当て馬になるような展開すらなかったんだろうけど。トマとジュジュを当て馬に出来るような作品、作者だったらニケとククリの関係はもっと簡単だったし、私もここまで刺さらず済んだだろうな……。いかんせんグルグルと衛藤先生は優しすぎた。2は流石に魔王ちゃんととジュジュで当て馬展開で進めようとした痕跡があるけど、結局そうはならなかったし。

弟子がエルリック兄弟でやってるみたく、冒頭くらいはククリの孤独をもっとショッキングに描けばわかりやすいのに、衛藤先生はあまりに優しすぎて出来なかったんだよな。それすらオババとのギャグチックな回想になってるしさ。まあそういう人と作品だからこんなに好きなんだろうけどさ……。ククリちゃんがあんな境遇で表情豊かな元気いっぱいな子なの、多分オババのとクソババ―って元気いっぱいケンカ出来るような関係だったからだよ。イザベル=クリスチーナ(魔法オババの名前)さんの育て方、子どもの情操的な意味で多分すごく正しいんだと思う。っていうか今完全にグルグルに重症過ぎて、シュギ村の回想シーンで、オババが赤子のククリを出迎えた時、めちゃくちゃ優しい言葉かけてたの思い出すだけでぐちゃぐちゃに泣いてる(大丈夫????)

私の好き嫌いはさておき、作家として正攻法に正しいのは絶対ハガレンの描き方の方よね……。いやもちろんグルグルはそもそもギャグ、って前提はあるけど、やっぱそれだけじゃ説明しきれない優しさみたいなものがあり過ぎるんだよな……。ジャンルの違いの問題ではなく、本当に根本的に、最初っからやりたくないんじゃないと、グルグルのような事にはならんと思う。ドラマを描いた上で全員救いたい犬木栄治さんみたいなわかりやすさもないからなぁ……。やっぱり作者自身が光の勇者なんじゃ……ニケが宝箱や穴の中の人をあぶりだすため屁こいたみたいに、衛藤先生も空気清浄機に屁をこくし(根拠が最悪なんだよなぁ)
2024/07/06(土) 06:26 グルグル考察 PERMALINK COM(0)
ニケの心理が解答のないミステリー、藪の中状態ってのがわかりやすい例として、明確に解答がある無印花の国編すら、解答の部分をただ読むだけだと達成率90%止まりになるってのがある。

おさらいすると、花の国編は、ククリちゃんが食べたいチョコの材料を取りに花の国へ行って、そこで色々ありすぎて読者もククリちゃんも忘れかけていたチョコレートの用件を、ニケがちゃんと覚えていてくれた。そのニケの優しさこそが、ククリちゃんにとって本当に甘いもの。というお話。

別に普通に読めば理解出来るじゃん、って感じで実際出来るんだが、色々ありすぎて多分ニケが花の国来る前に「甘い物嫌い」って言ってたことも多分忘れてる人も多いだろう。でもそこはラストシーンで特に回収されないんだよね。

回収はされないんだけど、他の記事でも言ったように、ニケは甘い物苦手だから、そんな散々苦労してチョコを手に入れたところで、本人になんの益もないんだよ。だから花の国ラストのチョコの木のくだりは、本当にただククリちゃんが好きで喜ばせたいだけのニケの献身的な愛。ククリちゃんのモノローグで終わるくだりで、その甘い物嫌いには触れていないから、ククリちゃんはニケの優しさにちゃんと気づいているようで、もっと奥深いところにまではおそらく行けてない。

ニケもニケで「甘い物嫌いなのに作ってもらったんだから感謝しろ」なんて事は絶対言わない。作者と結託してそんな押し付けをする発想がない。読者も当時掲載誌だけで追ってたら、「ニケの甘い物嫌い」は忘れてる可能性があるし、単行本派でもじっくり読んでないとうっかり流してしまう。

だから解答編のある花の国すら、ニケの心理は藪の中なんだよね……。

やっぱり担当さんの「じっくり読むと、また違う面白さ」ってのは「グルグルの設定自体は結構切ないものが多い」ってのと「ニケの細かい心理が良く読むとわかる」って事だと思うんだよな……。

ちなみにニケククは、2でも花の国と同じような事してる。他のクエストやろうとしてたんだけど、ククリちゃんが甘いもの食べたいっていうからじゃあ別に俺もすごく行きたいわけじゃないからいいやーって甘い物探しのクエストに切り替えちゃう。で、そこでもニケは「甘い物はちょっと」ってトマと会話するだけで終わっちゃうし、今回もククリちゃんは勇者様が甘やかしてくれたことはちゃんとわかっているが、「ニケは甘い物が嫌い」、「ククリちゃんがしたいから甘い物を食べるクエストに行った」ってのを繋げられてない。

だから花の国編でも、2のお菓子職人の話でも、一見分かり合っているカップルのようで、根底の根底のところだと分かり合えてないんだよね……。

なんかもう……衛藤先生のミステリー作家としての側面すごいよね……。その上手さがファンタジーミステリーとしてわかりやすく提示されるアラハビカとか2の「ククリの古い友達」では神髄に至らない、その上「こんなことやったら読者にもニケにもククリにも益がない」ような事をずっとやり続けてるっていう。

その上で何が一番衛藤節で照れ屋と押し付けなさがイカレてるって理由として、同じ解答がないミステリーである藪の中やスカイ・クロラは、解答に行きついたご褒美は「事件の真相(所説あるけど)」とか、「実は結構ショッキングなシナリオ構造」ってすごくわかりやすいと思うんだけど、グルグルのニケミステリーは解いたところで「ニケと作者の、伝わらなくてもいいと思っていそうな愛」しか出て来ないんだよ。私の好みは捨てて客観的に言ってしまえば、藪の中やスカイクロラに比べて謎解きの報酬としてはしょぼいんだよね。っていうかグルグルを恋愛物として見た時、こんな事やるメリットって一切ないんだよね。すれ違いで引き延ばすにしたって、モノローグとかで読者には説明した方が絶対良いに決まってる。まあそれでもニケと作者はやるんだけどね。

こんな事代表作で(途中別の作品や外伝を挟んで空白があったとはいえ)30年もやってる作家、ちょっと思いつかない……。本当に衛藤ヒロユキはヤバイ作家だと思う。ヤバさが多分私の同類しかわかってもらえないやつだけど……。押しつけがましさがなさ過ぎて、ニケも作者も狂気の域なんだよ……。

これ、本っっっ当に伝わる人ごくわずかだと思うのに、それを担当編集さんは指摘しないまま20年やってきたの……???1より更にわかりにくい部分がある2とか、止めようと思えば止められたよね……? 20年もの付き合いだもん、その辺のわかりにくさについて衛藤先生と多少話し合った事もあったんだろうし、多分素人が考える疑問なんて今更よね……。

やっぱグルグルって無意識に追い求め続けていたっぽいだけあって、本当に私にとって創作の目標として唯一無二過ぎる……。狂四郎2030が題材的に、パッと見で美しい夫婦愛と人間賛歌(と人間の仕方なさ)の切ない話ってのがわかりにくいのはしょうがないんだけど、グルグルのアホみたいな作風と甘いメルヘンで、狂四郎と同じ濃度の狂気的な愛の要素(それも超ネアカのプラス方向で)があるっての、ホントにイカレてるわ。

狂四郎の狂気部分の濃度に、光の方向で並ぶなよ。藪の中とスカイクロラのミステリーに、少年の少女への献身的な愛で並ぶなよ。狂四郎の恐ろしい要素より、今はグルグルと衛藤ヒロユキの方が怖いわ。

なんなら花の国編のラストも、「それはね……」で終わらずに「それはね、勇者様!」って言っちゃった方が読んだら100%伝わるものにはなると思うんだ。流石にラストシーンはわかりやすいけど、言葉にしないとわからない層がいるって話を鑑みると、アレですら多分わかりにくい。「あまいものなーんだ?」「それはね……」で終わる流れ自体は、私も大好きなんだけどさ……。

こんな事30年もやってたら、そら進展するわけないよなあ、ニケクク……。一応言っておくと、ニケによこしまな気持ちがないわけじゃないんだよね、初期なんかはククリをスケベに見てる事がわかりやすいし、2はかなり落ち着いたけど、相変わらずククリの露出度高い服見たいくらいは思ってるし、ククリの裸踊りで人をあぶりだせる魅力があるとは思っている。

呪われた竜として、リンゴの形の月を食べさせてもらった時の事をうっすら覚えているニケも、「欲しかったものに手が届いたような」って言ってるから、ホントはククリの事多分欲しいんだよね。健全な漫画だから、エロい表現はされないけど、「天使にリンゴを貰った」事を「欲しかったものに手が届いた」って言ってるってのは、暗にククリちゃんを食べちゃいたいような感覚なんじゃないかっていうか……。とにかく、多分自分のものにしたい気持ちがないわけではないんだよね。作者と結託した究極のウブかつ、押しつけがましさが実はククリには一切ないから、こうして無印超えて19巻、ここまでほとんど進展がないけれど……。

なんかさ、押しつけがましいのもいけないとはいえ、ここまで押しつけがましくない愛もやっぱ罪だよね……ニケとククリに関してはもう既に読者も見届ける形でたくさんの思い出と深い絆があって、既にククリちゃんはニケになら何されてもいいって段階に来てると思うのにさ……。そらHするような漫画じゃないとはいえ、言葉で好きって言うとか、ほっぺにキスくらいもう少し日常的にやるとか、なんかしなさいよ……。

アニメのアラハビカ編ラスト、ニケがククリちゃんにチューする時、アニメだと更にヘタレ度が上がってて、一回チューするために顔近づけて、結局行けずに一回引くんだよね……wwここ原作と演出変えてるのに、原作以上にニケの本質表してると思う……。やっぱアニメの解像度、描き方こそ違うけどちょいちょい原作越えてるわ……。

もう一個言うと、ニケは別に図々しさがないわけじゃない。シュギ村を救った後、「恩人なんだからタダで物寄越せや」とか村の店脅すような事は普通にやってる。やってるけど、「ククリちゃんには感謝しろムーヴを絶対やらん」というだけ。大切な女の子だから。

はあ……この焦れっ焦れ恋愛が少女コミックでやっていたなら、「天は赤い河のほとり」のメインカップルみたく、結ばれた瞬間我慢してたのが大爆発して一晩中ヤリまくるとかいう激シコ純愛スケベが見れたのに……ガンガンだから、どこまでも澄んだ衛藤ヒロユキだからニケだから畜生!!!!!でもそんな衛藤先生とニケが好き!!!!!!!

それはそれとして、天は赤い河のほとりまた読みたくなって来ちゃったなぁ……アレの王子も、めっちゃくちゃヒロインの事好きなのに全然手出さない系男だったっけな……。

少女漫画すら姫ちゃんのリボンの大地だの、天は赤い河のほとりのカイル王子だのを多感な時期に摂取しちまってたの、やっぱある種の不幸だわ……。

このままニケの照れ屋と一切押し付けない献身的な愛について考えてたら発狂しそうだから、もう少し普通に付き合ってるやつとかスケベする純愛見ないと心が死んじゃうかも……。やっぱ魔王学校謎セールのうちにKindle全巻買っちまうか……こっちはまだ「好き!」って言うし通じ合うからニケククよりマシ……こっちもこっちで何故か告白から恋人に発展しないけど。

魔王学校に俺だけ勇者!?と魔法陣グルグルはカップルの空気が良く似てると思うんだけど、決定的な違いは「とにかくわかりやすく全部説明する夏緑先生」と「わざとわかりにくいものを描いてる衛藤先生」という作家性の違いだろうな……。後は「恋を描く時一切照れない恋愛作家の女性」か、「死ぬほど照れて、作中で手間暇かけてわけわかんないことする小学生ムーヴの男性」か。

今時言うな、って言われるけど、やっぱ時に男女の極端な性質の違いって、出るよなぁ……。だって似てるのにやっぱ違うもん、魔王学校とグルグル……。
2024/07/06(土) 04:33 作品感想 PERMALINK COM(0)
へっぽこアルジェンのヒロイン(受)のアオイがククリベースにたまごろうを足したもんとは特定したが、なんかあと一個、猫耳要素がどっから来たのかって話が残ってるな。

まあここら辺は漠然とネコミミとかケモミミフェチがあるからだと思うし、身内も言ってたし私も自覚があったように、スターオーシャン2のレオンじゃねーかなって思うけど、もっと根底のところに違う元ネタが例によってある気がする。



やっぱその辺はお気に入りギャルゲの一つ、はっぴーぶりーでぃんぐじゃね?って夜中にユーチューブでOP見て思った。はっぴーぶりーでぃんぐは「鶴の恩返しを鶴、猫、金魚、犬でやりつつ、そこにシンデレラを足したような話」で、当時一番好きなシナリオは金魚で人魚姫の要素があった金魚ヒロインの雪乃だったんだが多分造形的にツボったのは猫の皐月だったんだろうな。皐月をベースに猫の恩返し恋愛版をその他好きな作品混ぜながらやった感じ?

ちなみにはっぴーぶりーでぃんぐは、「メインヒロインは猫の皐月では?」という説を真偽不明ではあるが聞いた覚えがある。ED曲の冒頭で、「雨に慌てている女の子」が歌われているが、同じようにヒロインの猫の皐月も、出会いは雨に濡れているにも構わず、じっと立っているのを主人公が見つけるという流れ。貼ったOPでも、最後のトリを飾るのは猫。だから皐月がメインヒロインじゃないかって。

個人的な意見だとビジュアルイラストとかで目立つのは犬のチョコだし、一番恩返しに来る理由が納得できるのも彼女だし、でなかったら、一番主人公に恋に落ちて人間になった理由が納得出来るのは雪乃だと思うんだけど。なかなか面白い説ではある。
キミのセカイを、ボクは行く

これ、以前読み返してて眠くて途中で寝ちゃったから「ダメだこりゃ」って非公開にしてたんだけど、「私がずっと創作で無意識に追い求めてたのって、魔法陣グルグルの恋物語、ククリとニケなんじゃない?」って気づいた今、これもそうなんじゃないかと思って引っ張り出してきた。

例によってこれにも書く時明確に意識したパクリ元があって、PS2の夏夢夜話と漫画図書館Zで読めるだいらんど。

でもこれも例によってグルグルのククリとニケが無意識に入ってる気がするなぁ……。またかよって話だけど。だって元ネタの夏夢夜話とだいらんどに「目覚めのキス」のシーンって意外にもないし。その発想どこから来たの?みたいな。お姫様と王子で、「RPGの勇者のように」とか冒頭で主人公がほざいてるし。主人公の仁が王子、ヒロインの白野雪華がそのまま白雪姫だから、童話が元ネタで、自分も多分そのつもりで書いてたとは思うんだが、多分これグルグルのアラハビカ編に、更に好きな童話世界(夏夢夜話やだいらんど)を乗っけた欲張りセットなんじゃないかぁ。いきなりアラハビカみたいに歌い出すし。(ここが一番読み返しててきっつい!!!!!)

確かにグルグルもいきなりミュージカルしだすと言えばそうなんだけど、あの漫画は「よくわからないものを描きたい」が明確の一流作家が描いてるものだから、そういう流れも含めてすごく上手いんだよね。なんとなく受け入れて、サラッと読めちゃう。ニケ王子がいきなり歌い出すのは、彼の突拍子のないキャラクター性がここまでしっかり描かれているからそれだけで面白い。ニケならやる、って感覚で読者がわかる。でなくともグルグルは担当さんすら予測のつかないネームがいつも送られてきたと言ってたほど、良い意味で突拍子がなく楽しい作品だから、これまでの二人の冒険で、アラハビカをやれる空気の土台ってのが出来てる。

私のはキャラが立ってない主人公がいきなり歌い出すし、グルグルで例えると出オチで1話でアラハビカやっちゃってるので誰もついていけない。まだアラハビカだけならいいのに、そこに夏夢夜話やだいらんどを乗っけてしまっているので、本当についていけない。多すぎ。

アラハビカの元ネタの一つは、作中でも示してるように眠り姫だから、そら白雪姫をモチーフにしたらオチも被るんじゃない?って話ではあるが、私の場合前科が多いからな……。やっぱ仁と雪華もニケ王子とククリ姫が元ネタじゃないかなぁ。例によって、盲目的に運命の王子を慕うヒロインだし。

というかヒロインは終盤の構成も含め(ありがちな上、描き方が下手なのでふーん、としか言えないが……)まだキャラが立ってると思うんだが、主人公が「ほんとにただのポエム野郎」だから、面白くない。私やっぱ男描きたいのに男描くの苦手なんだなぁ。一応キャラが立ってる雪華に比べると、流石に仁は「ポエマーの記号王子」以上のもんがなくてキツイ。こっからアルジェンとアオイに行けたのを思うとやっぱり多少は成長が見えるか?っていうか仁もアルジェンみたいにナイフ投げてて草なんだけど。これも己の気づかない性癖だったのか?

自分としてはそこそこ好きなものを上手く模倣出来てると思うBLゲーと違って、こっちはホントに眠い。ただ、出だしで自分の文章力全部使ってヒロインを綺麗に書いてるのは好ポイント。一番の問題が中間部分で、冒頭とオチはまだしも、真ん中がクソつまんないんだよなコレ。作者にもイミフのポエム+ごっこ遊びだから。

まあやっぱ自分で書いたもんだけあって、刺さる部分はある。マイナー(だと思う)童話のヒナギクとか空飛ぶトランクとかネタにしてるとことか。カモメのジョナサンとか銀河鉄道とか出て来るし。っていうか雪華の設定なら普通に銀河鉄道下手でもいいからなぞれよ。なんでヘンゼルとグレーテルやねん。夏夢夜話にもちゃんと銀河鉄道出て来ただろ、そこパクって来いよ。こういう意味不明な下ネタで己を発揮してないでさぁ。長靴をはいたネコを持ってきたのは翻訳ネタでなんとなく一応わかるけど。

スーパーでゴミカスクソ上司やクッソババアに怒鳴られながらお惣菜詰めつつ、こんなもんウケると思って書いてたと思うと「そら虐められるわ」って納得しかないわ。っていうか多分他の部門の人も怒鳴られてるようなとこだったな、帰りに買い物でレジに商品持って行って、レジ担当の子がうっかりとちって泣きそうな顔で「ごめんなさい」って言ってたの今思い出したわ。あの子も怒鳴られてたんだろうな、別に気にしなくていいって慰めたと思うけど。

まあ話が逸れちゃったけど、やっぱコレも根っこの根っこを掘るとグルグルですね……。どれだけグルグル大好きやねん……こんなものを7万字近く、長々と書くほどグルグルを求めていたのに、十年以上読み返す機会がなかったのは、やっぱちょっと不幸だったかもしれないな……。

まあ例によって、コレ読むならだいらんど読めばいいと思いますね……夏夢夜話もやって欲しいが、あれはPS2に取り残され、PSPにすら移植されなかった悲しい名作なので……。衰退しましたやらクロスチャンネルの田中ロミオと、Crescendo ~永遠だと思っていたあの頃~の水無神知宏とかいう最高のコンビの童話物語なのに……。

水無神さんは花散の希さんと今も交流があるほど仲が良いだけあって、合作だけど、夏夢夜話も魂が花散と少し似てるよね。残酷さも救いも、もう少し童話的だけど。
2024/07/06(土) 02:10 その他自創作絡み PERMALINK COM(0)